アルファ、太陽光ディベロッピングに着手
アルファグループ(東京都渋谷区、吉岡伸一郎社長)の100%子会社で再生可能エネルギーの事業会社、アルファチーラー(東京都渋谷区、西原哲司社長)は、今年10月よりメガソーラーのディベロッピング事業を始めた。現在5ヵ所のメガソーラー計画を公表しており、このうち3ヵ所は売却先を決めた模様。自社で保有する案件も含め、同社は今期中に50~60MWの太陽光発電所の着工を目指す。
同社の販売スキームは、同社が太陽光発電所の建設からO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)までメガソーラーの開発全般を手掛け、完成した発電所を事業者に販売する。発電所の建設用地については同社が地権者から購入またはリース形式で保有し、販売先の発電事業者と20年間の賃貸借契約を結ぶ。施工は国内の大手ゼネコンなどに発注しているという。
アルファチーラーの西原哲司社長は、「地権者の取りまとめや機器選定、ファイナンスまで、パートナー企業と協力しながら一気通貫で進めている。少なくともIRR(内部収益率)6~7%を確保できるような価格帯で販売していく」という。
同社の本間将大取締役は、「プロジェクトは公表したものも含めて10ヵ所は優に超える。12年度買取り価格を獲得した案件も多くあり、10MWを超えるものもある。すべて災害リスクなども入念にチェック済みで、確実に事業化できる」と話す。
現在は1ヵ所1法人に売却する形をとっているが、今後は証券化スキームや50kW~500kW程度の区分所有での販売も行なっていくという。
携帯電話販売やオフィス通販事業を手掛けるアルファグループは新規事業を模索するなかで、「再エネ分野は3年ほど前から調査していた。国の後押しもあり、12年には参入を決め、準備を進めていた」(西原社長)。
12年11月には、麻生(福岡県飯塚市、麻生巌社長)と再生可能エネルギー分野における業務提携を結び、麻生グループの所有する福岡県の遊休地でメガソーラーの建設に踏み切る。13年4月には発電事業の子会社としてアルファチーラーを設立した。
西原社長は、「メガソーラー事業は、リスクが比較的少なく、長期に亘る安定収入が得られる。銀行からの資金調達も可能だと考え、まずは自社で発電所を保有した」と述べる。
福岡県嘉穂郡桂川町に建設された『飯塚ソーラーパーク』は出力1.5MW、今年10月2日に運転を開始した。モジュールは京セラ製、パワーコンディショナは日立製作所製を採用している。EPC(設計・調達・建設)は安川電機及び安川エンジニアリングが担当。アルファチーラーが発電事業者、麻生は土地提供とアレンジメントを担い、グループ会社がO&Mを手掛ける。
また同社は、産業用分野で太陽光発電をBCP(事業継続計画)対応として、あるいは蓄電池とセットで提案するといった関連事業にも取り組み始めた。
本間取締役は、「出力50~100kWがターゲット。場合によってはファイナンスや保険、EPC、O&Mなどをトータルパッケージにしてサービスを提供していきたい」と語る。
「アルファチーラーの名は地熱とソーラーに由来する。いまはソーラーが主役だが、地熱発電にも注目している」(西原社長)。