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旭東電気 太陽光用直流開閉器、累計販売実績200万台超

(左)産業用直流開閉器 (右)住宅用接続箱に内蔵された 直流開閉器

遮断器製販の旭東電気(大阪市旭区、北村文秀社長)はこのほど、太陽光発電用の直流開閉器の販売台数が累計200万台を突破した。2009年に住宅用直流開閉器の製販で太陽光発電市場に参入してから実績を伸ばし、今年5月には新たに産業用直流開閉器を発売。さらなる拡販を目指している。

直流開閉器とは、接続箱や昇圧器、PCS(パワーコンディショナ)に内蔵しているもので、直流回路のオンオフを切り替えるスイッチ。

同社はまず定格電圧300V、開放電圧450V、定格電流10Aの住宅用直流開閉器を開発。ベース部とカバー両方に熱硬化性樹脂を用いるなど、熱に強い構造が特長だ。

木谷電器などの接続箱メーカーや国内PCS大手に販売しているほか、住宅用PCSメーカーにOEM(他社ブランドでの生産)品を供給するなど、カスタマイズ品の製造も行なっている。

13年5月からは新たに定格電圧500V、開放電圧750V、定格電流15Aの産業用直流開閉器を商用化した。小型化を実現したことに加え、DINレールとJIS協約金具の2種類の取付けに対応している。

同社は1949年に設立。現在は国内のほか、中国・広州や上海にも工場を持ち、安全ブレーカや漏電保護プラグ、漏電リレー、直流開閉器などの製販やEMS(電子機器受託生産サービス)事業を手掛けている。

08年に新規事業として、環境関連・新エネルギー分野への事業展開を決定。翌09年から太陽光発電用直流開閉器の販売を開始した。開閉機器事業本部の岡田康治統括部長は、「これまで培った技術を活かせる分野として太陽光発電とEV分野への進出を目指した」と述べる。

今後は、新たな機能を搭載した住宅用直流開閉器の開発を進めており、14年春の販売を予定している。開閉機器事業本部営業部営業課新規事業プロジェクトの河津寿昭リーダーは、「ニーズをもとに開発したもので、安全性を追求した。定格電圧や電流、開放電圧の上限もアップさせている」と話す。

現在、同社の太陽光発電用直流開閉器は日本で設計し、中国の自社工場で製造している。09年の発売以来の累計販売数は200万台を突破しているという。

岡田統括部長は、「当社は小型の低圧遮断器が最も得意。特定の企業ではなく、OEMも含めて様々なメーカーさんへ幅広く供給してきた。今後も市場ニーズを汲み取って開発を進めていく」と語った。

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