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丸文、ソーラーシェアリング用システム発売

アルバテックと共同開発、農業委員会への申請代行も

太陽光発電の未開拓市場の一つとして、営農を継続しつつ、太陽光発電システムを設置する『ソーラーシェアリング』が注目を集めている。そんななか、エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区、水野象司社長)は、ソーラーシェアリング用太陽光発電システムを販売・施工店のアルバテック(大阪市北区、高木竜一社長)と共同で開発、今年10月より販売を開始した。機器や保証のほか、農業委員会への申請代行や施工もパッケージ化していることが特長だ。まずは2013年度に2MWの受注を目指す。

同社が開発したソーラーシェアリング用太陽光発電システムは、モジュールやPCS(パワーコンディショナ)、ケーブル含む電材部品一式、単管架台・基礎といった機器に加え、農業委員会や経済産業省、電力会社への申請手続、施工、各種保証及び補償をパッケージ化したもの。1パッケージの出力は12kW(PCS11kW)。

丸文が機器を調達・システム化し、アルバテックが販売・施工を行う。システム10年保証やモジュール出力25年保証は丸文が、施工10年保証のほか、自然災害や事故、盗難に対する補償(3年)は保険会社と連携し、アルバテックが付与する。

価格は12kWパックで420万円(税抜)。あくまで目安であり、造成費や系統連系接続費は含まれていない。最終的な見積価格はアルバテックが現地調査などを行ったうえで提示するとしている。

モジュールは海外製単結晶シリコン型250Wタイプ(12kWパックの場合48枚)、PCSは国内製5.5kW機(同2台)を採用しているが、「ニーズ次第でラインナップは拡充していくつもりだ」(デマンドクリエーション第2本部DC第2部第2課の相馬敦課長)。

相馬課長は開発経緯について、「アルバテックさんは、京都の福知山で当社が供給した単結晶モジュールを使い、農地向け太陽光発電の実証を1年半ほど前から行っていた。今年3月末に農林水産省が一時転用としてのソーラーシェアリングを許可したので、それらの経験やノウハウが活用できると思い、パッケージ化した」と話す。

さらに、「一時転用には煩雑な手続きが必要で、苦労しているケースも多いと聞く。そこで申請代行も含む形でシステムを構築した。農業委員会への申請については、行政書士ネットワークを活用する。すでに京都のほか、千葉や群馬でも手続きを完了させた経験がある。設置工法などにもノウハウがあるので、施工もパッケージ化している」と述べる。

なお一時転用では3年毎に再申請が必要。それについては有償サポートとなる。「保守サービスも含めて提供できれば」(相馬課長)としている。

現在は、施工も含めた形で販売しているが、相馬課長は、「展示会で紹介したところ、販売施工店さんからの反響が予想以上に大きかった。まずは施工も含めた直販での実績を積み重ねながら、物流網の整備やファイナンスに関するサポート提供など、様々な課題をクリアし、販売施工店さん向けのスキームを構築したい」とした。

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