中・杭州浙大サニーエネルギー、日本法人「サンテライト」設立
13年10MW受注目指す
中・結晶系太陽電池メーカーである杭州浙大サニーエネルギーサイエンス&テクノロジー(杭州浙大桑尼能源科技)は今年9月、日本法人としてサンテライト(東京都中野区、大田宏一社長)を立ち上げた。2013年に10MWの受注を目指し、販売を強めている。
杭州浙大サニーエネルギーは、浙江大学と連携して01年に設立された結晶系太陽電池メーカー。モジュール製造から着手し、現在ではセルやPCS(パワーコンディショナ)、架台製造から太陽光発電所のエンジニアリングまで行なっている。これまで欧州を中心に、豪州や南米、インドといったマーケットにも展開、実績を残してきた。
日本市場では、OEM(他社ブランドでの生産)での供給実績を持つほか、10年からは協力会社を通じてマーケティングを実施、産業用市場への提案を進めていた。13年9月には、その協力会社の社名と出資比率を変更。杭州浙大サニーエネルギーが70%、残り30%を日本の企業などが出資し、日本法人として、「サンテライト」を立ち上げた。
日本市場では現在、モジュールと架台を販売している。施工・販売ではビズグリーン(石川県金沢市)と、物流やアフターメンテナンスはジャストコーポレーション(福井市)とパートナー企業として提携し、協力体制を敷いている。
サンテライトのソーラー営業本部の大田優紅日本地区責任者は、「今年7月より日本での本格販売を開始しており、13年は10MWの受注を見込んでいる」と話す。
国内第1号案件は、山梨県における2か所の低圧発電所。1.5MWの高圧太陽光発電所も年末から年明けにかけて稼働していく計画だ。大田氏は、「これらの案件は、パートナー企業と協力したモデルプロジェクト。データ取得やメンテナンスなどの実証を行うためでもある」と語る。
また同社は、出力10kW以上50kW未満の小規模産業用への提案を強化するため、パッケージシステムを構築、今年11月から出荷を開始する。
同システムは、同社製の多結晶シリコン型モジュール(250W、変換効率15.27%)とスクリュー基礎を用いたアルミ架台、田淵電機製PCSをパッケージ化したもの。出力は50kW(PCSは49.5kW)としている。販売価格は950万円(税抜)。
大田氏は、「50kW未満については、日本の保険会社と連携し、動産保険に休業補償を付加したものをオプションとして提供していく予定だ」としたうえで、「杭州浙大サニーエネルギーは大学との合弁会社であるうえ、創業以来、黒字計上し続けてきた企業。価格競争力もある。日本のパートナーと協力しながら、日本市場に根付いていきたい」と語った。