正興電機、簡易型ストリング監視システム
受注10MW
高圧電気設備メーカーの正興電機製作所(福岡市博多区、福重康行社長)は今年5月、太陽光発電用のストリング故障診断システムを発売した。9月に北九州市若松区のメガソーラーに納入するなど販売を伸ばしている。
今回の製品は、ストリング単位でモジュールを遠隔監視し故障を発見するシステム。同社は簡易診断装置付の接続箱を独自に開発、8回路及び16回路を標準搭載した。磁気センサでストリング毎の電流と接続箱毎の電圧の偏差を測定する。
事業統括本部電力システム設計部RFIDソリューショングループの鈴木啓司グループ長は、「汎用の磁気センサを用いてコストを低減しつつ、ソフト処理で精度を向上させた。誤差は±5%」という。
故障診断は、ストリング毎、接続箱毎の相対比較で行ない、5分間隔で情報を取得して1時間の平均値をもとに診断する。また無線通信(ZigBee)を採用し配線工事費を削減。電源はDC600Vから直接取る形だ。
ストリング監視のほか、受配電設備の監視やパワーコンディショナからの信号取得にも対応。取得したデータは同社サーバで管理し、遠隔監視する。
同システムは販売開始後、10MW分の受注を獲得。そのうち第1号が9月に納入する北九州市若松区の1.5MWのメガソーラーだ。
鈴木グループ長は、「若松区のメガソーラーは後付け設置。故障診断装置だけの後付け設置にも対応している。無線方式なので追加導入も容易だ」と話す。
同本部新エネルギー事業推進企画プロジェクトの山口勝次リーダーは、「当社は高圧受変電設備や接続箱、遠隔監視システム、さらにリチウムイオン蓄電池も揃えており、様々な提案ができる。今後はサービスをさらに強化していく」と語った。
なお同社は、モジュール故障診断回路を搭載した接続箱や一般的な接続箱もラインナップしている。