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ケミトックス、耐PIDセルでEVA比較試験実施

第2回封止材による耐PID確認試験、今秋にも

第三者試験機関のケミトックス(東京都大田区、伊藤邦子社長)は今年6月、耐PIDセルを用いたEVAによるPIDへの効果確認試験を実施、このほど結果を公開した。今秋には様々な種類の封止材を用いたPIDへの効果確認試験を行なう予定である。同試験は2回目。PIDの劣化メカニズムの解明と対策に向け知見を高める狙いだ。

同社は昨年12月に封止材によるPIDへの効果確認のため、独自試験を実施。EVA7種類、アイオノマー1種類、オレフィン系4種類、シリコーン1種類の計13種類の封止材を用いて、4セルモジュール化し、同社の推奨する条件のもと耐PID試験を行なった。ただし、その際使用したセルは過去PIDの劣化が確認されたp型6インチ多結晶シリコン型であった。

PV試験評価事業部の坂本清彦技術統括部長は、「オレフィン系やアイオノマーは総じて結果が良かったが、EVAは製品によって結果が異なっていた。そのためにEVAはPID対策には向かないと捉えられることもあった。だからこそ改めてセルを変更して試験した」と6月に実施した試験の意義を話す。

今回、使用したセルはPID対策が施されたp型6インチ多結晶シリコン型。それ以外の条件は前回の試験と同様とし、試験を実施した。用いたEVAは4種類である。

試験結果はやはりEVAによって異なるものだった。その一方でPID未対策セルを用いた試験では、最大出力が50%程度低下したEVAでも、今回は数%の低下率にとどまる結果も出た。

坂本部長は、「PID未対策セルで結果が良くなかったEVAでも、適切なセルと組み合わせることで、PID対策が施せることが判明した。PID以外の信頼性やコストも含め、最適な封止材とセルを選びだすことが大切ではないか」と述べる。

また同社は、今秋を目途に再び封止材によるPIDへの効果確認試験を実施する予定だ。

坂本部長は、「前回の試験から半年余りが過ぎ、各社の技術改良も進んでいる。基本的に前回と同じ方法で行うが、国内外のメーカーや商社さんに提供していただき、さらに封止材の数を増やしたい。モジュールは試験後に返却するため、作成費用だけは負担してもらうが、試験費用はいただかない。他社との比較ができるうえ、研究開発にも活かせると思う」と試験への参加を呼び掛ける。

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