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独クラニッヒ・ソーラー、日本市場へ本格進出

欧州製システム提案

左)イタリア・ボルツァーノに設置された86kW 右)フランス・ミュールズに設置された5.3MW

ドイツの太陽光発電のエンジニアリング商社であるクラニッヒ・ソーラー(日本法人・名古屋市中区、川畠義史社長)が、このほど日本市場へ参入した。今年2月から提案を強化しており、9月中旬にはシステムを供給した200kW発電所が完成するなど徐々に実績を上げている。

同社は1995年に創業。西欧を中心に展開し、東欧諸国や米国、豪州などにも進出。現在、世界14ヵ国に拠点を構えている。

太陽光のエンジニアリング商社として、商社機能のほか、欧米ではプロジェクト開発から資金調達、IPP(独立系発電)やEPC(設計、調達、建設)、O&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)までトータルソリューションも手掛ける。これまでの累計販売実績は1.3GW以上に及ぶ。

日本法人の川畠義史社長は、「2009年頃から日本市場のマーケティングを進めた。全量売電が開始したこともあり、昨年8月に日本法人を設立した。10kW以上の市場への機器販売を中心に事業を進めている」と話す。

同社が日本で販売する機器は主に欧州企業の製品だ。モジュールは、いずれもドイツの結晶系モジュールメーカーであるアキシテックとルクサーが中心。PCS(パワーコンディショナ)は独SMA製など、架台は独K2システムズ製アルミ架台を提案している。

同社は、グローバルで戦略的にシステム調達を進めており、コスト競争力や納期対応も強み。モジュールについては、100kWにつき3枚のサンプリング試験を必ず実施するなど、第三者機関とも協力しながら徹底した品質管理を行っているという。

架台は陸屋根や傾斜屋根、地上設置用などをラインナップ。K2システムズと協力し、日本仕様の製品も開発している。その第1弾として、今年7月にハゼ式折板屋根用金具を発売した。

川畠社長は、「K2システムズ製の架台は、作業効率を重視した設計となっており、部材点数も少ない。基本的に正面からの作業だけでシンプルに施工できる。今後も和瓦用金具など、日本仕様の架台を増やしていきたい」と話す。

また川畠社長は、「企業としても堅実に黒字経営を続けている。銀行借入もない」としたうえで、「システムとしてのマッチングに関する知見やノウハウ、技術を保有していることが当社の強み。95年以来の世界での経験や実績から、取付け方法やコストなども含めて、最適なモジュール強度に合わせた架台を提案できる」と語った。

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