福島・郡山で860kW太陽光発電所稼働へ
地元の専門学校が運営、再エネ人材育成に活用
学校法人新潟総合学院FSGカレッジリーグは、福島県郡山市で出力860kWの太陽光発電所を開発、今年11月にも運転を開始する。稼働後は全量売電するとともに専門学校での再生可能エネルギーに関する人材育成に活用していく。
福島県郡山市安積町の自社遊休地に建設している『FSG安積発電所』は、直流出力860kW、交流出力750kW。今年8月に着工、11月に竣工する計画だ。総投資額は約3億円。EPC(設計・調達・建設)は荏原電産。モジュールは韓・現代重工業製、パワーコンディショナは明電舎製250kWタイプ3台を採用した。
発電所のIPP(独立系発電)事業者は新潟総合学院。コンサルティングやO&M(オペレーション・アンド・メンテナンス)は、FSGカレッジリーグの関連会社、新電力福島が担当する。
新電力福島の内田章社長は、「実績や経験、信頼性から荏原電産さんにEPCをお願いした。今後この発電所での経験やノウハウを福島の企業さんに提供していきたい」と話す。
FSGカレッジリーグは福島県郡山市の専門学校グループ。その1校である工業系の専門学校、国際情報工科大学校では、開校当時から電気電子工学科を設けたほか、2011年4月には電気応用技術科を設立。翌年4月にはエネルギー工学科に学科名称を変更した。
同校の村上史成副校長は、「震災以後、福島は再エネの先駆けの地となることを目指している。そこで現場の技術者の育成を担う専門学校として、太陽光発電所の現場管理を行う電気主任技術者や太陽光発電をトータルコーディネートできる人材を育てようと考え、カリキュラムの内容を、再エネを中心とするものに変更し、エネルギー工学科を開設した」と経緯を述べる。
同学科は3年制。2年間は電気工事士の養成施設として人材を育成。3年目は電気工事士として現場でのインターンシップなどを行なう。電気主任技術者の資格は3年間かけて取得を目指していく。
村上副校長は、「『FSG安積発電所』は学生達の実習の場として活用できる。単に見て学ぶだけでなく、設計図をもとにしたシミュレーションや各種申請といった実務、実際のキャッシュフローも踏まえた運用方法も人材育成に繋がるはずだ」と語る。
また、同校は今回の発電所以外に太陽光発電システムを導入している。福島の復興に繋がる人材育成を目的に布袋寅泰氏と吉川晃司氏の音楽ユニットによる東日本大震災への支援金「COMPLEX基金」を受け、一部を校舎のスマートキャンパス化に活用。太陽光発電システムや省エネ設備などを導入している。