トップ・ランナー、自社ブランドモジュール拡販
木製架台もラインナップ
林業や住宅建築を手掛ける舘林グループの太陽光発電システムメーカー、トップ・ランナー(岐阜県恵那市、舘林正孝社長)は、自社ブランドのモジュールの提案を強めている。2014年5月期に20MW以上を目指し、市場へ供給していく。
同社は、舘林(岐阜県恵那市)のソーラー発電事業部を分社、12年5月に設立した。舘林正孝社長は、「住宅販売を行う舘林では、約27年前から太陽熱、26年前からは太陽光発電の施工・販売を手掛けている。全量売電の開始に伴い、分離して、事業展開していくことにした」と経緯を述べる。
12年10月には、住宅用システムのJ-PEC認証を取得。舘林社長はモジュールについて、「品質管理の徹底や安心感を獲得するため、OEM(他社ブランドでの生産)という形を取ることにした」という。住宅用はグループ会社であり、総代理店の『あったか森の国から(岐阜県恵那市)』を通じて、代理店経由で販売している。
同社は現在、結晶系モジュールの生産は中国シュクメンに委託している。「品質管理や技術、実績を評価した」(舘林社長)。モジュールの製造委託先については、今後追加し、ラインナップを拡充していく方針だ。
また、舘林グループは、林業を発祥としていることもあり、同社は木製架台を独自開発。産業用市場へ向けて、12年12月より販売している。舘林社長は、「熱に強く、塩害地にも対応できるもの。法隆寺と同じ木材である檜を採用しており、長期的な信頼性もある。価格についても基礎と架台を10kW30万円で供給可能だ」と自信を見せる。
なお同社は、自社でのIPP(独立系発電)事業として、6ヵ所合計500kWの産業用太陽光発電の導入も進めている。舘林社長は、「この自社での発電事業は、テスト的な意味合いもある。トータル1MW規模まで拡大したい」としている。
今後については、「産業用と住宅用の両市場で拡販していく。13年5月期の販売量は、4MWから8MWを見込んでいる」としたうえで、「14年5月期に20MWから40MW、15年5月期に100MWから200MWを目指している」と語った。