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タイゴエナジー、モニタリングシステム提案強化

出力制御機能で発電量増加

同システムは、太陽電池モジュールの裏面に設置する計測器、『モジュールマキシマイザーES』(MM-ES)で、電圧と電流、温度を常時測定する。これらのデータを、独自のソフトウェアを内蔵した『マキシマイザーマネジメントユニット』(MMU)で集約し、最適な出力を維持できるように分析。さらにMM-ESに搭載された『インピーダンス整合回路』で、モジュールの出力を制御し、最大出力を得る仕組みである。

通常のモニタリングシステムと同様に、不具合情報の検出や、クラウドデータセンターへの情報送信、データ分析、遠隔監視の機能を備えているが、それにとどまらず、モジュールの出力制御を行ない、発電所の発電量を増加させるという付加機能がある点が特長だ。

ロン・ハーダー社長兼COOは、「当社の技術を用いれば、影の影響や不具合、劣化などによるパネル出力のミスマッチを整え、最適な出力状態を維持できる。そして、遠隔監視だけでなく、出力制御も行い、最大発電量を得ることが可能だ」とし、「当社製品を使用することで、年間約8%の発電量の増加が期待できる」と述べる。

MM-ESの累計設置台数は、2008年から12年上半期までで、50万台を超えており、導入されている地域は、米国が40%、欧州が30%を占める。新設、既設、いずれの発電所にも導入可能。最新モデルでは、MM-ES1個でモジュール2枚を監視・管理できる。

12年からは、MM-ESをジャンクションボックスに内蔵し、太陽電池モジュールと一体化した『スマートモジュール』としての供給も開始。中アップソーラーやトリナソーラー、韓ハンファ、台デルソーラーなどで採用された。

日本では、代理店を通じた販売を行っており、09年からこれまでに、住宅用を中心に約80件の実績を残している。現在の代理店は、バイテックやダイトエレクトロン、三五商事、片山鉄建などである。

12年7月の全量売電開始に伴い、メガソーラーでの受注も獲得している。汲川雅一ゼネラルマネージャーは、「日本では、まずは産業用を中心に提案を進めている。すでにメガソーラー3件での採用が決まっている。高圧連系と特別高圧連系両方の案件があり、第1四半期(1〜3月)から順次着工し、当社の機器も納入していく予定だ」と語る。

ハーダー社長は、「太陽光発電は長期間に亘るもの。モジュール単位での遠隔監視や故障検出は重要だ。当社のシステムはそれに加え、モジュール出力の最適化が図られ、発電量を増加させることができる」としたうえで、「当社にとって、日本は重要な市場であり、このシステムは日本市場にもマッチしていると考えている。代理店さんとの取引も増えており、13年は6万台以上の出荷を期待している」と語った。

(左)汲川雅一ゼネラルマネージャー (右)ロン・ハーダー社長兼COO

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