中国電力、こっこーらと太陽光パネルのリサイクルで業務提携
再使用品で発電所建設へ
中国電力は2024年7月4日、産業廃棄物処理のこっこー(広島県呉市、槙岡達也社長)らと太陽光パネルの再利用事業で業務提携を交わした。様々な種類の廃棄パネルを再使用する太陽光発電所を建設し、発電性能を検証する構えだ。
中国電力は、100%子会社の中電プラントと、こっこーおよび産業廃棄物処理のスナダ(広島県東広島市、砂田恭延社長)の4社で廃棄パネルのリサイクル体制を構築する。広島県の『令和6年度広島県廃棄物排出抑制・リサイクル施設整備費等補助金』事業に採択され、約2000万円の補助金を活用して実証事業を始める。
具体的には、中電プラントが東広島市内の『広島県立総合技術研究所農業技術センター』の遊休地に再使用パネルを設置し、直流出力220kW、交流出力198kWの太陽光発電所を建設、O&M(管理・保守)まで請け負う。中国電力は再生可能エネルギー電力をPPA方式で施設に供給し、こっこーとスナダは廃棄パネルの回収と選別、さらに廃棄パネルの分解・分別処理を行う。
中国電力販売事業本部事業企画グループの澤田浩平本部チーフマネージャーは、「様々な再使用パネルを使用した太陽光発電所を建設するため、架台は特注品を使う必要があるだろう。再使用パネルの判別基準や事業性も検証していく」と意気込む。
一方、スナダとこっこーはかねてより廃棄パネルの再資源化事業に取り組んできた。そのうち、こっこーは、未来創造製のパネル処理装置を導入し、太陽光パネルの分解・分別を手掛けてきた。今回は、アイテス製のパネル検査機器でパネルの絶縁抵抗などを測り、再使用可能なものと不可能なものに廃棄パネルを仕分けする。
こっこー取締役常務執行役員の日山健一環境資源事業部長は、「今回の協業を機にパネルを再使用する事業も進めていく。脱炭素社会の実現に貢献していきたい」と語る。