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TMEIC、発電所併設用の蓄電設備発売

標準化で設計しやすく

PCS(パワーコンディショナ)国内大手のTMEIC(東京都中央区、川口章社長)は2024年7月30日、太陽光発電所併設用蓄電設備の販売を開始すると発表した。PCSと蓄電設備の組み合わせによって、柔軟な容量選定や標準設計を可能にしたほか、コンテナ式にして施工性を向上させた。

同社が発売したのは、主に太陽光発電所への併設を想定した交流リンク型の蓄電設備だ。従来品の出力1200kVAのPCSに、蓄電容量約400kWhの蓄電池を組み合わせたもので、PCSは20‌ftコンテナに最大3台3600kVAまで収納できる。蓄電池は、1台あたりの寸法が幅1.3m×奥行1.3m×高さ2mで、PCS1台につき最大7台まで接続できるため、蓄電容量は最大約8500kWhまで拡張可能だ。同社はオプションで独自開発の発電予測アプリケーションを活用した蓄電設備の最適制御システムや長期のO&M(管理・保守)サービスも提供する。

足元の市場では、出力抑制の増加で既存の太陽光発電所における蓄電設備の併設需要が高まっているが、現場ごとに設置可能な土地スペースなどの状況も異なる。そこで、大きさを含めた設備の標準仕様を定め、EPC(設計・調達・建設)企業などでも基本設計をしやすくすることで、設計や営業の効率化を図ったという。

現場では、PCSや制御装置などを内蔵した20‌ftコンテナと蓄電池を設置すれば良いため、施工性の向上や建設費の削減効果なども期待できるようだ。

同社産業・エネルギーシステム第一事業部エネルギーソリューション技術部の橋口弘部長は、「標準仕様を固めたことで、あらかじめ追加設置のイメージがしやすい」としたうえで、「まずは10〜20件、30億円規模の受注を獲得したい」と語った。

新発売した発電所併設用蓄電設備の設置イメージ。手前が1台あたりの蓄電容量が400kWhの蓄電池、左奥が最大3台のPCSを収納できる20ftコンテナ

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