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デルタ電子 オンサイトPPA事業参入

広島県三次市で第1号案件稼働

NSウエスト三次工場に設置された太陽光パネル。屋根上と遊休地を活用した

電源装置大手の台・デルタ・エレクトロニクスの日本法人、デルタ電子(東京都港区、華健豪社長)は2024年7月11日、NSウエスト三次工場に太陽光発電設備を設置し、オンサイトPPA(電力売買契約)による再生可能エネルギー電力の供給を始めたと発表した。同社初のオンサイトPPA事業となる。

同社は、自動車部品製造のNSウエストが広島県三次市に構える三次工場内の遊休地と建物屋根に直流出力1426kW、交流出力756kWの太陽光発電設備を設置。24年6月からオンサイトPPAによる再エネ電力供給を開始した。114.8万kWhの年間発電量を想定しており、同工場の年間消費電力の約26%を再エネ化できる見通しだ。

余剰電力の逆潮流を発生させない完全自家消費型の設備とし、EPC(設計・調達・建設)やO&M(管理・保守)業務は地元企業に委託。太陽光パネルはエクソル製、PCS(パワーコンディショナ)は自社製を採用した。

デルタ電子エネルギーソリューション事業部ソリューション営業チームの田中誠二デピュティ・マネージャーは、「電力会社との契約容量である756kWに合わせるため、定格出力70‌kWのPCSを63‌kWに調整したうえで12台設置した。PCSの特性を理解している点は強みだ」と語る。

日本ではPCSや蓄電設備、EV(電気自動車)充電器などの再エネ関連機器を供給してきた同社だが、田中デピュティ・マネージャーは、「23年からは関連機器を活かしたソリューション事業を開始した。オンサイトPPAはその第1弾だ」と説明する。

同社は日本で特定建設業許可を取得した子会社とも連携していく方針で、同社インフラソリューション事業本部エネルギーソリューション推進部の土屋裕国担当課長は、「PPA方式に限らず、販売やリース方式にも対応可能だ。ニーズに合わせて提案していく」と話す。

今後は蓄電設備やEV充電器との連携のほか、オフサイトPPA事業への展開も視野にあるようだ。田中デピュティ・マネージャーは、「企業の脱炭素化を支援していきたい」と意気込む。

PCSは自社製を採用した

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