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農業と発電の架け橋〝ソーラーシェアリング〟

農水省、3年ごとの更新条件で公認

燦々と降り注ぐ太陽の恵みを農業と太陽光発電にも役立てたい。
CHO技術研究所、長島彬所長が開発した太陽光パネルの下で作物を栽培するソーラーシェアリングに対し、農水省は3月31日、農地へのパネル導入を認める決定を下し、転用許可を公表した。
法的根拠を得たソーラーシェアリングの普及が一気に加速しそうだ。

CHO技術研究所のソーラーシェアリング

農水省が通達した指針とは、農地の上部空間にパネルをのせる、その支柱が農地法の適用を受け、一時許可転用の対象になるというもの。一時転用は3年以内で、営農の継続が前提条件となる。

また簡易な構造ですぐに撤去できる支柱であること。さらにパネル傾斜角やパネル間の隙間などが、農作物の生育に適した日照量を確保できることなどが規定されている。

その一方で、営農を継続できない。あるいは農業収入が20%以上減少する。さらに農作物の品質の著しい劣化や、農業機械が効率的に利用できないと認められた場合は認められない。

長島氏は「農業設備を農地に設けることに対する指示権限が、現行法では農業委員会にないと解釈せざるを得ない。もしそこでソーラーシェアリングが農地転用にあたらないと認めれば、農業委員会への申請が不要となり、参入に際し、一切の歯止め効かない。そうした危惧が背景にはあった」と解説する。

そこで農水省は支柱を「転用扱い」として、必ず太陽光発電設備を申請させ、無謀な導入を規制する方針をとったわけだ。とはいえ、形式上こそ3年間の一時転用だが、問題がなければ更新も可能だ。

今回の指針決定は日本の農業の姿を変える可能性を持つ。いまや農業収入が年間数十万円という農家はざらだ。農業では食べていけず、若年層は農業を離れ、ますます進む高齢化、耕作放棄地に悩むのが現実だ。

だが、ソーラーシェアリングがあれば安定した収入、農業への再投資という循環を形づくり、継続的な営農ができるかもしれない。

長島氏は「一時転用ではなく、将来的には法改正をし、ソーラーシェアリングの普及体制に移行すべきだ」と語っている。

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