奥地建産、中部空港でモジュール壁面設置 実験開始
太陽電池モジュール用の架台を製造する奥地建産(大阪府松原市、奥地誠社長)は3月4日、愛知県常滑市の中部国際空港で、壁面に傾斜設置した太陽光発電システムの実証実験を開始した。モジュールの種類や設置角度を変えて発電効率を比較する。太陽光発電の設置場所の減少や地代の高騰などを背景に、建物の壁面利用の可能性を探る狙いだ。
実験場所は、中部国際空港の立体駐車場。南端にあるA棟1〜4階の東側壁面200㎡を利用した。モジュールは、シャープ製の多結晶モジュールと薄膜シリコン型シースルーモジュール、そしてソーラーフロンティア製のCIS型モジュールの3種を採用。地面に対し45度、65度、90度と、3通りの角度に計132枚のモジュールを取り付けた。モジュールの種類や設置角度の違いによる発電効率を検証する。なお、出力は計23.7kWである。
発電した電気は駐車場の照明に使い、余剰分はリチウムと鉛の蓄電池に充電。これを夜間に使用するほか、非常用電源としても活用し、蓄電池の機能を検証する。駐車場にはモニター画面を置き、電気の使用量や発電状況を確認できるようにした。
実験期間は14年3月31日までとしているが、その後も関係企業の合意が得られれば継続する方向だ。
今回の実証実験には、奥地建産をはじめ、中部国際空港、興和工業所、シャープ、ソーラーフロンティア、トヨタL&F中部、日本ファシリオ、山口工業、綿半鋼機の計9社が参画した。