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ABB、無効電力補償装置 日本市場へ投入

電力機器世界大手のスイス・ABB(日本法人・東京都渋谷区、トニー・ザイトゥーン社長)は、電力系統(送電網)の電圧変動を抑制する装置、『低圧自励式無効電力補償装置』を3月より日本市場へ投入した。再生可能エネルギー(再エネ)の普及拡大に伴い、電力系統の安定化対策が求められるなか、新たなソリューションとして提案を強める狙いだ。

無効電力補償装置とは、無効電力を制御することによって電力系統の電圧の変動幅を抑制するもの。電圧が不安定になり得る太陽光発電などの再エネ発電所と電力系統との連系時に、電力系統の安定化を目的に導入されている。

オートメーション・モーション事業部電力品質ソリューションの山田隆司セールスマネージャーは、「電力系統の不安定化問題が浮上しており、ユーザー側での対策も必要になってくる。そこで出力を減らして調整するのではなく、無効電力補償装置の導入を提案している」と語る。

同社の製品は、リアクトルやコンデンサなどで制御するSVC(静止型無効電力補償装置)とは異なり、インバータで無効電力を制御する。緻密な制御による電力系統の安定化を実現するほか、モジュール方式を採用しているため、出力幅を125kVarから10MVarまで拡張可能。「サイズもコンパクトで、一般的なSVCに比べて2分の1程度の省スペース化を実現した」(山田セールスマネージャー)。

同社は、約3年前に同装置を発売、欧米市場では風力発電所や太陽光発電所などに採用された。山田セールスマネージャーは、「日本市場では、従来のSVCに比べて半分程度の価格帯での提案を目指している。ただそれよりも、この装置の最大の特長はランニングコストを抑えられること。コンデンサがなく、メンテナンス費用を削減できる。トータルコストで検討してもらえれば」としている。

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