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新日鉄住金エンジ、杭打ち工法で今期出荷35MW超へ

『NSエコスパイラル』で設置されたモジュール

新日鉄住金エンジニアリング(東京都品川区、高橋誠社長)は、太陽光発電向けに杭打ち工法の提案を強めている。売れ行きは好調で、2012年度の出荷量は、合計で35MWを超える見込みだ。

同社は、00年から回転圧入鋼管杭『NSエコパイル』を一般建築や土木用に供給してきた。10年には狭小地にも対応できるタイプとして羽根を螺旋状にした『NSエコスパイラル』を商用化。これまでの回転圧入鋼管杭の販売実績は1万件以上にのぼる。

太陽光発電向けには『NSエコスパイラル』を使用。残土を排出しないなど環境に配慮したもので、騒音や振動を抑制する。周面支持力が高いため、杭の長さが短く、工期を短縮できるといった特長を持つ。11年度までに茨城県坂東市で建設された発電容量3.75MWの『リクシルつくばソーラーパワー』など、メガソーラー3件を含む9件へ納入した。

全量売電が始まった12年度は、発電容量にしてトータル35MW以上の太陽光発電所へ納入する見通しだ。なかでも最大の案件が、日揮(川名浩一社長)が大分市に建設する発電容量26.5MWのメガソーラー。13年春の稼働へ向け、年内にも出荷する。納入する杭は、架台メーカーの日創プロニティ(福岡市南区、石田利幸社長)との連携により、通常3万本程度必要なところ、1万9500本まで削減した。

建築・鋼構造事業部エンジニアリング商品部エコパイル営業室の海野洋明シニアマネジャーは、「この案件では、架台と一緒に検討したことにより、コスト低減を実現した」と説明する。

同社は鋼管杭を施工込みで販売、協力施工店は全国30社に及ぶ。杭直径は48.6㎜から165.2㎜。地盤や荷重条件などに応じて、羽根の枚数や地中に埋設させる長さの最適な設計を施している。12年からは、架台も含めた提案も行っている。

海野シニアマネジャーは、「工法や設計・施工面での改良を進め、さらに困難な場所にも設置できるようにしていきたい。今後は年間50MWを目指す」と語った。

海野洋明シニアマネジャー

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