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永輝商事、モジュール170MW以上供給へ

OA機器のリユース・リサイクル業を手掛ける永輝商事(東京都品川区、方永義社長)は、グループ傘下に収めた中国の太陽電池モジュールメーカー、ジュマオ・フォトニクス(中国福建省)製のモジュール販売を強化している。13年3月までのモジュールの受注量は、グループでのIPP(独立系発電)事業も含め、170MW規模に達する見込みだ。

永輝商事は1998年に設立、05年から半導体及び太陽電池用スクラップシリコンの再生事業へ進出した。10年には、ラサ工業からウエハ再生事業の事業譲渡を受け、国内拠点としてRSテクノロジーズを立ち上げるなど業容拡大。12年5月に、ジュマオ社の発行済み株式の74%を同社役員や従業員、グループ企業を通じて取得。グループ傘下に収め、世界総代理店契約を締結した。

一方、グループ入りしたジュマオ社は、モジュールメーカーとして01年に設立。欧州や日本などへのOEM(他社ブランドでの生産)を中心に事業を進めていた。

永輝商事半導体・ソーラー事業部の古好勝敏部長は、「11年春頃からモジュール事業への展開を検討し始めていた。ジュマオ社は、日本の太陽電池メーカーへのOEM経験もあり、品質管理体制も安心できることが決め手となった」と語る。

永輝商事グループとして販売したジュマオ社製モジュールの国内第1号は、栃木県大田原市に建設される発電容量900kW案件。OEMでモジュール供給する形を取っており、12月に完成する予定だ。

また、古好部長は、「当社グループは、モジュール販売だけでなく、IPP事業も積極的に行っていく。発電容量2MW以上の特高案件は完成後、投資家に売却していくつもりだ」と語る。

IPP事業では、30ヵ所でのメガソーラー建設を目指している。JFE電制やウエストホールディングスなどのEPC(設計・調達・建設)と協力していく方針だ。まずは、宮城県大崎市のRSテクノロジーズの工場屋上に1MWを設置する。総投資額は約2.7億円、モジュールはジュマオ社製多結晶シリコン型、パワーコンディショナは三社電機製作所製を採用、EPCはJFE電制が担う。

今年度について古好部長は、「受注ベースで20件、容量にして約170MWになる見込み。そのうち、モジュール供給のみは7件で、その他はグループなどでのIPP事業。最大70MWのメガソーラーも含まれている」と話す。

なお、同社がラインナップするモジュールは多結晶シリコン型及び単結晶シリコン型。古好部長は、「多結晶型をW80円台以下で供給できるコスト競争力に加え、品質管理も含めた高品質が特長だ」としたうえで、「今は産業用がターゲットになっているが、住宅用についても来年度以降、参入していく計画だ。13年8月期に売上高100億円を目指している」とした。

古好勝敏部長

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