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丸文、台ネクスパワー製モジュール拡販

今期1MW超受注へ

兵庫県丹波市に設置された約50kW

エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区、稲村明彦社長)は、台湾の薄膜シリコン(Si)型太陽電池メーカー、ネクスパワーの代理店として、結晶系に比べ、25℃以上の高温環境下で高い発電性能を発揮する薄膜Si型の特長を活かし、全量売電市場へ向け、提案を強めている。

同社は2010年6月にネクスパワーと国内販売代理店契約を締結、太陽光発電市場へ進出した。デバイスマーケティング本部マーケティング第4部第5課の樋野成生課長は、「結晶系とは違う土俵で勝負していこうと考え、薄膜Si型を選んだ。ネクスパワーは、台湾ファウンドリ大手のUMCグループに属しており、信頼性もある」と語る。

同社が販売するモジュールは、アモルファスシリコン層と微結晶シリコン層のタンデム型で、出力160W、最大実効変換効率10.9%である。建材一体型シースルータイプもラインナップしている。

樋野課長は、「薄膜Si型は結晶系に比べ、設置容量は少なくなるが、低コストで屋根や土地一面に導入することができ、初期コストを抑えられる。温度特性もよいので、年間の実発電量が多い」と特長を述べる。

11年9月には、埼玉県越谷市の社員寮屋上に8.35kWを設置。同年12月にはJ-PEC認証を取得、12年年明けからは販売を本格化した。同年2月には、販売実績としては初となる約10kWシステムを納入している。

出力50kW未満の低圧連系向けにはモジュールのほか、パワーコンディショナやケーブルを組み合わせたシステムとして提案を行っている。樋野課長は、「保証やパワーコンディショナとの相性なども考慮し、基本的にシステムとして卸している。トータルコストの削減にも繋がる単管パイプを用いた架台もセットで供給できる」と話す。

また、高圧連系向けにおいても、沖縄の300kW案件での採用が決まっているなど、引き合いは増えているという。樋野課長は、「個人や企業のほか、自治体や自治会からもニーズがある。発電容量では、25kWから50kWが中心となっている」とし、今期については、「MWを超えるペースで受注している」と話した。

樋野成生課長

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