オリビアス 営農用太陽光でオリーブ栽培開始
農業コンサルティングのオリビアス(東京都杉並区、山本哲史社長)は2024年8月、営農用太陽光発電所でオリーブの栽培を開始した発表した。事業モデルを確立して他の地域へ広めていく考えだ。
同社は、発電事業者のESRホールディングスと営農会社のESR球磨ファームの3社で熊本県人吉市内の営農用太陽光発電所でオリーブを栽培する。24年5月には農地300㎡にオリーブの苗木を80本木鉢に定植し、営農を開始。今後出力約20kWの太陽光発電設備を稼働させる予定だ。
オリビアスはオリーブの栽培方法を指導し、ESRホールディングスが発電事業を手掛け、ESR球磨ファームが営農する。営農用太陽光発電所でのオリーブ栽培はオリビアスにとって初の試みで、異なる遮光率のエリアを複数設け、オリーブの生育を検証する。
オリビアスの山本社長は、「営農を主目的に事業を始めるESRホールディングスから23年10月の農業の展示会で声をかけてもらい、協力することになった」と経緯を語る。
同社は、育苗と独自の剪定や整枝で樹高を従来の5mから2m程にしつつ、定植本数を数倍程度に増やすオリーブの矮化栽培を確立。単位面積当たりのオリーブの収量を増やすことに成功した。
山本社長は、「オリーブの矮化栽培で脚立が不要になり、業務効率が上がった。太陽光パネルで日陰ができれば、農業従事者の作業負担は軽減する」としたうえで、「25年にはオリーブを収穫したい。そして他の地域にも広めていく」と意気込む。
同社は21年1月に設立し、オリーブ栽培のコンサルティングを展開。東京都府中市や愛媛県八幡浜市、滋賀県長浜市内の農家にオリーブの栽培を指導している。