佐々木、4.2MWの営農太陽光事業を再建
農作物の生産・販売を手掛ける佐々木(広島県東広島市、江口康人社長)は2024年8月16日、出力4.2MWに及ぶ営農用太陽光発電事業を再建したと発表した。営農を怠り、頓挫しかねない営農用太陽光発電事業を再建させたい考えだ。
同社は、福岡県豊前市内の4.2MW規模の営農用太陽光発電所を保有する発電事業者から24年6月に営農を請け負い、キクラゲの栽培を開始。7月末には約300kgのキクラゲを収穫し、食品加工のウマミユナイテッドジャパンに卸している。
豊前市内の営農用太陽光発電所ではキクラゲの栽培を計画していたが、農業者が営農を怠り、行政指導を受けていた模様だ。そこで同社は発電事業者から依頼され、下部の農地でキクラゲを栽培し、事業を再建した。
佐々木の江口社長は、「かねてよりキクラゲを栽培しており、キクラゲの栽培には精通していた」としたうえで、「自治体と連携して特産品をつくりたい」と意欲的である。
営農用太陽光発電においては、営農を怠る事業者が相次いでおり、経済産業省は24年8月、農林水産省と農地法違反などを確認、不適切な342件、20の事業者に対してFITとFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の補助を一時停止した。
営農用太陽光発電事業は農業再生の切り札とも言われ、営農の継続が鍵を握る。このような営農受託は課題解決に寄与しそうだ。
なお、同社は20年10月に設立し、キクラゲやマスタケなどを栽培している。