ソニー、メガソーラーで自己託送
ソニー(吉田憲一郎社長)は2月から自己託送制度を活用した太陽光発電の自家消費利用を始めた。事業用電力の100%を再生可能エネルギー電力で賄うことを目指し、自己託送を再エネ電力の調達手段として確立する。
東京電力エナジーパートナーによる第三者所有モデルを活用し、子会社のソニー・ミュージックソリューションズが静岡県焼津市に保有する製品倉庫の屋上に、1.7MWの太陽光発電設備を設置。製品倉庫で自家消費しない余剰電力は、自己託送制度を活用して静岡県榛原郡にある製造工場へ供給する。
自己託送する際に必要な発電量や消費電力の予測を含め、設備の運営を東電EPに委託し、東電EPから電力を購入する。
2018年に『RE100』に加盟した同社は、40年までに事業で用いる電力のすべてを再エネ由来の電力で賄うことを目指している。太陽光発電の導入、グリーン電力証書や非化石証書の購入などと合わせ、自己託送も再エネを調達する手段の1つに位置づけたい考えだ。
同社HQ総務部EHSグループの井上哲シニアマネジャーは「自己託送は幅広く応用できる。発電事業者と需要家を集約して自己託送するといったことも考えられる。再エネ市場は広がるはずだ」と期待を寄せる。
同社品質・環境担当の佐藤裕之執行役員は、「現在世界の事業所で地域に応じた最適な再エネの導入を進めている。太陽光発電は、RE100加盟後、7.5MW分の開発が進んでいる。当社に期待されるのは、グローバル企業として再エネへの転換に舵を切り、牽引することだ」と述べる。