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大坪電気、故障検出システム開発、来年4月市場投入へ

電気設備工事の大坪電気(東京都墨田区、髙杉好一社長)は、設計からアフターメンテナンスまで、トータルソリューションでのEPC(設計・調達・建設)事業を今年より本格化している。来年4月には、独自のメンテナンスシステムとして、故障検出システムの導入を予定しており、2014年6月期に売上規模50億円を目指している。

同社は約10年前から太陽光発電のEPC事業をスタート。主に産業用太陽光発電システムの電気工事の請負事業を進めていたが、今年からは元請けとしても、発電容量10〜500kWクラスを中心に、EPCのトータルソリューションを積極的に提案。今6月期は5億円、約1.3MWの受注を見込んでいる。

事業開発室開発課の澤田昭彦氏は、「元請けとして一括でトータルソリューションを提供する方が効率もよく、提案を強めている。ただ、今期はまだまだ請負が中心。来期に元請けと請負を半々くらいに、3年後には元請けを8割まで伸ばしていきたい」と意気込む。

提案しているモジュールは、ソーラーフロンティア製が中心。現在のところ、モジュールとパワーコンディショナは国内製を扱っている。基礎・架台は、基本的にシーデーエスニュースチールホームズインターナショナル製のスチール製架台を採用。澤田氏は「架台は量産しているので、短納期対応でコスト競争力もある」としたうえで、「システムは、信頼性や相性なども踏まえ、損失を最小限に抑える設計を行っていく」と語る。

また同社は、EPCとして他社との差別化を図るため、電気部品メーカーと独自のメンテナンスシステムを共同開発しており、来年4月の市場投入を目指している。

これは遠隔監視システムにストリング単位の故障検出システムを付加するもの。あらゆるモジュールに対応できるほか、後付設置も可能になる予定だ。

アドバイザーとして開発に携わる澤田氏は、「02年頃に米国でメガソーラーのモジュール故障に関わった際、復旧まで2か月を要した。万が一の故障は大きな損失になるということを、身を以て経験した。メンテナンスシステムは必要であり、約5年前から開発に着手していた」とし、「ユーザーにとって故障検出システムは重要になるはず。EPCとして提案するだけでなく、システム売りも検討している」と話す。

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