ジャパン・ソーラー・パワー、IPP事業開始
年度内8MW目指す
太陽光発電システムメーカーのジャパン・ソーラー・パワー(東京都渋谷区、川久保秀水社長、JSP)は、このほどIPP(独立系発電)事業に着手した。来年3月の完成を目途に、高知県四万十市に発電容量2MWのメガソーラーを建設。千葉県でも2ヵ所で計3MWを計画し、今年度内に8MW分のIPP事業を実施する意向である。
高知県四万十市で建設中の『四万十メガソーラーステーション』は、今年11月末に基礎工事を開始。来年3月の完成を目指し、設備認定と電力申請は1月末までに終える見込みだ。EPC(設計・調達・建設)はJSPと轟組が担当、モジュールは中国・ハレオンソーラー製の多結晶シリコン型245Wタイプで、パワーコンディショナは富士電機製を採用。総投資額の約6億円は、高知銀行からの融資で賄う。
千葉県では2ヵ所で、計3MW分のIPP事業を行う計画だ。ハレオンソーラー製モジュールと富士電機製パワーコンディショナを採用し、EPCはJSPとオリエンタルコンサルタンツが担当。今年度内のFITのインセンティブを獲得し、来秋にも売電を開始する予定である。
山中政幸専務取締役は、「IPP事業は、合計8MWで今年度の買取り価格を獲得したい。資金調達の問題で断念せざるを得ない案件もあったので、来年度以降、新たなファイナンススキームを構築するべく準備を進めている」と語り、他企業から出資を募りSPC(特定目的会社)を設立する方向で計画を進めている。
中・ハレオンと提携 住宅用システム本格販売
同社は、住宅用太陽光発電システムの本格販売に向け、今年10月、中国の太陽電池メーカー、ハレオンソーラーとOEM(他社ブランドでの供給)契約を締結した。現在、ハレオンソーラー製単結晶シリコン型モジュールで構成したシステムをJ-PECへ申請している。
山中専務は「ラインナップ強化の一環でもあるが、ハレオンソーラーは世界大手メーカーの1社。技術力や品質面も評価し、採用を決めた」と話す。
住宅用及び産業用販売では、JSPがシステムメーカーとして、エリアマネジメントを担う一次代理店を通じて、特約店へ卸していく。現在、一次代理店は6社。
山中専務は、「販売促進のため、シミュレーションソフトを開発しているが、現在は、販売・施工ネットワークを整備している段階」とし、今年末から年明けにかけて、本格販売していくつもりだ。
一方、発電容量10kWから数100kW規模の産業用では、JSPが設計や現地調査などのサポートを提供しつつ、代理店と協力し、提案している。発電容量50kW未満の低圧連系向けには、地域や用途に合わせたパッケージシステムも年度内に発売していく。
同社は、墓地霊園管理を行う財団法人の理事長を務める川久保秀水氏と、総合不動産開発会社の代表を務める山中氏が中心となり、11年11月に設立。12年春には中国リヌオ・パワー製モジュールなどで構成された住宅用太陽光発電システムをJ-PEC登録している。