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りょうしんメンテナンスサービス、産業用メンテ急増

月40件へ

太陽光発電のメンテナンス会社、りょうしんメンテナンスサービス(大阪府寝屋川市、梅木真也社長)は、全量売電の開始に伴う産業用メンテナンスのニーズ拡大を受け、受注件数が増加している。月平均80件のうち、これまで10%程度だった産業用の案件数が、このほど50%に伸びている。

同社は、太陽光発電の販売・施工会社、りょうしん電気(大阪府寝屋川市)のメンテナンス事業部として2009年にメンテナンス業務を始めた。10年には子会社として独立し、自社グループの施工案件や他社施工案件のアフターメンテナンスを実施してきた。

技術管理部技術推進部の清水拓也部長は、「事業を進める中で、10年、20年の長期に亘って、発電所を維持していくためには、本格的な保守点検が必要と考え、11年から新たなメンテナンスサービスを開始した」と振り返る。

現在、同社の住宅用メンテナンスでは、各メーカーの点検ガイドラインに沿った点検はもちろんのこと、IVカーブトレーサやラインチェッカ、赤外線カメラも使用している。

産業用メンテナンスは、太陽光発電システムを点検することにおいては住宅用と同じであるが、当然ながら規模は大きい。これまで数百kWまでのものが多かったが、最近はMWクラスの引き合いもあるという。

清水部長は、「産業用のメンテナンスでは、施工後に品質を確認するために、施工点検として依頼されるケースも増えている」と述べる。

また、清水部長は、「単にメンテナンス用の機器があればできるというものではなく、機器に関する専門的な知識が必要。機器の特長を活かした保守点検をしなくてはならない。例えば、赤外線カメラはセルのホットスポットを確認するものであるが、見る角度が重要になる。屋根裏から見ると、支持金具からの雨漏りをチェックできる」という。

メンテナンスの回数やスケジュールについては、1回限りのものから、10年単位のものまで多様なニーズに応えている。

清水部長は、「太陽光はメンテナンスフリーとは言えない。にもかかわらず、自動車の車検のように、国で定められた定期点検がない。何か事故が起きてからでは遅い」としたうえで、「このメンテナンス事業は長期スパンで考えている。収益性も大事だが、まずは、メンテナンスの必要性について周知を図りながら、経験を蓄積し、より良いメンテナンス技術を構築していく」と語った。

なお同社は、11年より独自開発した太陽光パネル用コーティング『ハイドロテックコート』を販売している。これは太陽光パネル表面で液状セラミックを熱処理し、ガラス表面を改質させるもの。防汚性や自浄性が向上するほか、「光透過率をアップさせるので、発電量が平均5%上昇する」(清水部長)としている。

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