オリックス・レンテック、太陽電池信頼性試験一括受託サービス提供
フルモジュール対応X線観察装置も導入
太陽電池受託試験事業を展開するオリックス・レンテック(横浜市西区、岡本雅之社長)は、神戸試験センターに7月にソーラーシミュレータと太陽電池ELテスターを導入し、試験設備を増強した。モジュールの長期信頼性が注目される今、太陽電池信頼性試験の受託サービスの提案を強めている。
測定器レンタル会社である同社は、1992年に計測器の現場試験サービスをスタート。2010年10月には電子部品の信頼性評価のため、東京技術センター内に信頼性試験センターを開設していた。
川口博文受託試験センター長は、「電子部品の信頼性試験サービスを行うなかで、ユーザーから太陽電池試験に関するニーズも増えていた。そこで産総研のコンソーシアムに参加するなど、情報収集を行い、11年10月に太陽電池の試験所として、神戸試験センターを開設した」と振り返る。
神戸試験センターには、まず高温高湿試験装置、温度サイクル試験装置、X線観察装置、機械的荷重試験装置を導入し、試験受託業務を開始した。そして今年7月にはソーラーシミュレータと太陽電池ELテスターも追加導入、太陽電池試験所として一定の設備が整った。全てフルサイズモジュールでの試験が可能だ。
これまで、国内パネルメーカーや輸入商社、封止材やガラスなど部材メーカー、EPC(設計・調達・建設)企業などがサービスを利用、長期信頼性試験を実施している。IEC規格に沿った試験のほか、ユーザー毎のカスタマイズ試験やPIDに関する試験なども行っている。
最大の特長は、フルモジュール対応のX線観察装置を導入していること。川口センター長は「EL検査では見えない細かい部分まで確認できる。国内初のフルモジュール対応装置であり、今までにない見方ができるのではないか」と推奨する。
最近の状況について、川口センター長は「特に7月以降、問い合わせが増加しており、輸入パネルのロット抜き取り検査にも活用していただいている。当社は第三者試験機関として、内容、金額、日程的にも柔軟に対応できることが強みだ」と話す。
神戸試験センターは、延床面積が5517㎡あるが、現在のところ、実質運用しているのは約2000㎡。「さらに拡張の余地はある。新たな装置を導入するのか、台数を増やすのか、業界動向を見ながら、様々な検討を進めている。まずは稼働率を向上させ、よりよいサービスを提供していく」(川口センター長)。
なお、同社は今年9月に蓄電池充放電試験の受託サービスも開始。5V・240Aまでの蓄電池セルの充放電試験を実施している。