戸上電機製作所、太陽電池モジュールメンテナンス機器2機種発売
配電制御機器メーカーの戸上電機製作所(佐賀県佐賀市、戸上信一社長)は今年8月、太陽電池の故障箇所を特定できる装置、『ストリングトレーサ』と『セルラインチェッカ』を発売した。住宅用からメガソーラーまで、あらゆる太陽光発電システムのメンテナンスや施工品質のチェックに使用できる。太陽電池の長期信頼性が問われているなか、エンドユーザーから販売施工店まで幅広く提案していく構えだ。
『ストリングトレーサ』は、ストリング毎に太陽電池モジュールのI-V特性を測定する機器。4ストリング同時に計測することが可能で、I-Vカーブ曲線を同時にグラフ表示することによって、相対比較が行える。測定時間は約1秒、数万回分のデータを保存できる。
『セルラインチェッカ』は、各ストリングのモジュール配置、そして異常モジュールを特定できる。モジュール不良箇所やバイパスダイオード断線のほか、モジュール間配線の断線やコネクタ接続不良を特定することが可能だ。
同社第二営業部ソリューション営業グループによると、「1ストリングでのI-Vカーブ計測表示では、異常が天候によるものなのか、モジュールの故障によるものなのか判断し難い。相対比較によって、日射計なども必要なく、より簡単に判断できる。もし『ストリングトレーサ』で異常を発見した場合は、天候に左右されずに使用できる『セルラインチェッカ』で簡単に不良箇所を見つけることができるので、より効率的に作業を行える」と話す。
さらに同社は、これらの機器について、「安全性や信頼性の確保に繋がるほか、万が一モジュールを交換する際も、故障したモジュールを特定できるので、修理費用を最小限に抑えることができ、メーカー、販売施工店、エンドユーザーのいずれにとってもプラスになる」としたうえで、「今回発売したのは、『PVドクターシリーズ』の第一弾。メンテナンスや施工品質向上に貢献できる商品ラインナップを今後も拡充していきたい」としている。
なお同社は、北部九州地域を中心に産業用太陽光発電システムインテグレーション事業も行っている。佐賀県神埼市の吉野ヶ里ニュー・テクノパーク跡におけるメガソーラー事業では、電気工事の一部を請け負っている。