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ホリー、産業用架台をパッケージ化

折板屋根、地上設置へ提案

建設用仮設資材メーカーで太陽光発電用の架台を製造するホリー(東京都江東区、髙宮章好社長)は、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の開始による太陽光発電の需要増を受けて、今年4月よりパッケージ化した産業用太陽光発電向けの架台を発売した。工期が短縮され低コスト化が実現するなど、メリットをアピールして提案を強めている。

同社がパッケージ化したのは、折板屋根用並びに地上設置型架台。折板屋根用は設置角度5、10、15度用に標準設計されており、施工性も良く、10kW程度の太陽光発電システムの場合、架台設置からパネル取り付けまで1日で完工できるという。

一方の地上設置型パッケージはスクリュー基礎とのセットでの供給も可能。現在、10〜50kW規模を中心に月間約30件ペースで出荷している。メガソーラー向けにも9月時点で6件以上を受注済みだ。

なお、両パッケージともに素材には日新製鋼製の高耐食溶融めっき鋼板『ZAM』を採用している。

営業本部環境営業部の吉田剛次長は、「今、産業用案件での引き合いの7割近くが折板屋根用。地上設置型もニーズが増えている。パッケージ化によって、施工性をアップさせることに加え、コストダウンも実現している。もちろん強度試験による強度の裏付けもある」と語る。

同社は約3年前に新規事業として太陽光発電事業へ参入、まずは産業用架台の供給を開始した。2009年12月には第一号案件として、約30kW太陽光発電システム向けの陸屋根用架台を納入。11年度までに累計約200件の供給実績を残している。

10年初頭には住宅用市場への参入に向け、開発に着手、8月にはカナディアン・ソーラー製住宅用システムに採用された。住宅用架台での主な特長は、様々な屋根材・形状に対応できるほか、メーカー毎にサイズ調整を行うなどカスタマイズで設定する点。その他、ID研修や新規参入メーカーへのサポートも実施している。

現在、住宅用向けでは約20社に供給、前年比75%増の月間700棟ペースで推移しているという。吉田次長は、「新規採用ユーザーが増えているのに加えて、既存ユーザーの販売件数が伸びている。今年度中に月間1000件ペースにしていきたい」と話す。

 

SI事業も開始

また、今年4月からはシステムインテグレーション事業も開始した。10月には一般建設業許可を取得する予定だ。吉田次長は、「架台メーカーであることが最大の強み。基礎・架台で様々な提案や対応ができるうえ、モジュール24社以上、パワーコンディショナ5社以上から選定し、ユーザーにとって最適なシステムを提案している」と述べる。

なお、太陽光発電事業が大半を占める環境営業部の今期売上目標は、前年比約3倍の18億円。架台のほか、システムインテグレーション事業も含んでいる。

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