ULジャパン、「JIS Q 8901」認証サービス開始
モジュール出力検査も実施
同社は1984年設立の第三者安全認証機関であるULの日本法人として、2003年に設立。太陽光発電関連ではモジュールやインバータだけでなく、ジャンクションボックスやコネクタ、電線、バックシートなどといった関連部材に対する評価や安全認証も実施している。10年9月には米サンノゼ、中国蘇州、独フランクフルトに続く太陽光発電に特化した試験・評価施設として、三重県伊勢市にPV試験所を開所。同施設は、延床面積約1950㎡、環境負荷試験室には計14台のチャンバーを導入、太陽光発電関連では国内最大級の試験所となっている。
太陽電池モジュールに関する規格であるUL 1703(安全/火災試験除く)、IEC 61215、同61646、同61730-1、2に準拠した試験能力を保有。12年3月にはIECに加盟国で通用するCBレポートを発行できるCB試験所としても認定された。
中里アカウントマネージャーは、「以前はサンノゼで試験していたため、認証取得までに約1年を要するケースもあったが、日本国内で全て完結できることになった。開所以来、韓国、日本、台湾など中国を除くアジア各国のモジュールメーカーの試験を実施している」と話す。
同社の太陽光発電関連サービスとしては、製品安全認証や性能認証のほか、長期信頼性や性能確認を目的とした各種依頼試験、モジュールの初期特性やロット不良の確認を行う出力検査サービスなども提供している。
そのうち出力検査サービスは今年5月、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)開始を前に、目視検査・出力測定・耐圧試験・漏れ電流試験をパッケージ化、モジュール数十枚レベルだと3営業日以内にテストレポート発行まで行う体制を整えた。
今後については、メガソーラー向けのサービスも視野に入れている。中里アカウントマネージャーは「第三者機関として、プロジェクトファイナンスを受ける際に一定のリスクを担保するサービスを今年中には開始したい」と意気込む。