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太陽セメント工業、3.5MWメガソーラー建設

自社製コンクリ架台採用

(左)メガソーラー建設は順調に進んでいる (右)同社製のコンクリート架台を採用

コンクリート製品メーカーの太陽セメント工業(大阪市福島区、石井克侑社長)は、自社所有地に合計約3.5MWのメガソーラー発電所の建設を進めている。そのうち約2MWの第1発電所は、7月1日に系統連系し、稼働させる予定だ。

同社の建設する『太陽エコブロックス兵庫発電所』は兵庫県加東市及び加西市に位置し、敷地面積3.9ha、1ヵ所の土地を2つに分けて発電所を建設している。和田竹彦太陽エコブロックス兵庫発電所PTリーダーは「発電規模が3.5MWになると、特別高圧線への連系となり、時間も要する。2MW未満の方がスピード感もあるので2つに分けた」と理由を語る。

第1発電所は発電容量約2MW、4月に着工しており、7月1日に系統連系に繋ぐ見通しだ。一方、第2発電所は発電容量約1.5MW、6月に着工し、9月完成を予定している。

石井克侑社長は「以前から太陽光発電に興味があったことに加え、昨年8月に再生可能エネルギー法が成立し、これからのエネルギーとしてさらに注目していた。当社は約13年前に工場用地として土地を購入していたが、遊休地となっていた。日当たりもよく、偶然にも隣に変電所があったため、9月には発電事業を始めるべく準備を開始した」と経緯を語る。

土地代を除く総投資額は約13億円。資金は全て三井住友銀行から調達する。他の発電所と比べ、少し割高のようだが、「あくまで年間発電量で判断した」(石井社長)。

発電事業者は、子会社で緑化環境資材の企画開発を主な事業としているエコブロックスが、架台や土木工事は、子会社で土木建設会社の太陽サーブが担当。設計は太陽セメント工業が行った。電気工事やシステム調達については、パナソニックESファシリティエンジニアリングが担っている。

モジュールはパナソニック製を、パワーコンディショナは三社電機製作所製250kWタイプを採用。基礎及び架台については、自社製を用いている。

その自社製架台は、コンクリートブロックを使用、低コストかつ簡単でスピーディな施工を実現するほか、設置角度も自由に変えられるなど柔軟な設計が行える点が特長だ。また、現場でブロックを製造するため、従来のコンクリート架台と比べても、物流費を70%削減できるという。架台工事及び設計施工材料費は、kW当たり5万円としている。

営業企画室の岡田卓也室長は、「一般的な架台の場合、発電量をより多く取るために角度を上げると、鋼材コストが倍増する可能性がある。それに比べ、当社製コンクリート架台だと、コストの増加を抑えられる」と強みを述べる。

また、今回の発電所では、3.9haの敷地に発電容量3.5MWを設置しており、「敷地面積当たりのパネル設置容量の多さには自信がある。土地コストが高い場所でいかに多く発電させ、発電事業を成立させるかがポイント。当社はコンクリ架台と組み合わせ、そういった基本設計、提案ができる」(和田PTリーダー)。

今後について、石井社長は「コンクリ架台を販売していくことが中心。兵庫のメガソーラーは試験的な意味合いもあり、自社製架台をさらに太陽光発電に適したものへ改良を重ねていく。基本設計や様々な提案も含めて拡販していきたい」と話し、コンクリ架台の販売については、システムインテグレータなどパートナー企業と提携し、品質管理を徹底していく方針だ。

左から岡田営業企画室室長、石井社長、和田PTリーダー

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