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アリョール、独自の日射量データで提携拡大

気象計測ベンチャーのアリョール(東京都中央区、山本喜昭社長)は独自の日射量データを様々な企業へ提供するなどして関係構築を拡げている。2011年春にはメディアモバイルのPV見積もりソフトへ、12年3月には生活産業研究所の日射量解析システムへ日射量データの提供を開始。同じく3月には特定規模電気事業者(PPS)業務代行など電力管理事業を行うエナリスとも業務提携、太陽光発電所向けの電力供給計画策定のための気象データを提供していく予定だ。

同社が提供する日射量データとは、気象衛星ひまわりの雲画像を解析し、気象庁の地点データなどと組み合わせることによって、全国の日射量データを5km四方単位に細分化したものである。全部で14万数千ヵ所の日射量データになるという。

山本喜昭社長は「農業や水産分野では、雲の画像から日射量を推定しており、PV向けでも欧州では実用化されている。日本でも必要ではないかと考えた。実際に気象庁のデータを見ると、昔に比べ日射量は増加傾向にある。古いデータを使用すると、過小評価したシミュレーションになる恐れがある」と述べる。

エナリスとの提携では、PVの発電量予測のため、気象庁データに加え、風観測データをもとに気象衛星ひまわりの雲画像を解析、1〜3時間後の日射量や発電量を予測する。山本社長は「より正確な数値を提供するために供給計画の当日修正も可能となる」と語る。このサービスは7月以降本格開始する見通しだ。

なお同社は、NTTスマイルエナジーの販売する故障診断サービス『エコめがね』の発電量ソフト開発のほか、高島や日本エコシステムの発電量シミュレーションソフトのシステム開発やデータ提供にも携わっている。

08年3月に独自の日射量データを用いたシミュレーションソフト『ソーラーメッシュ』を開発し、主に住宅用販売店などにライセンス販売してきた。同システムは03年から11年までの過去の日射量データを用いて発電量を推定する仕組み。正確な数値を使用することで、より具体的な発電量や電力料金のシミュレーションを行うことができる。

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