西松建設、SI領域でも基礎建設に強み
今期30MWの受注目指す
準大手総合建設企業である西松建設(東京都港区、近藤晴貞社長)では、四国電力の松山太陽光発電所やソーラーフロンティア国富工場などで培った建設実績をもとに、昨年2月よりSI(システムインテグレータ)部門の強化を図り、今年度30MWの受注を目指す方針だ。
同社が太陽光発電所の基礎建設を手掛けたのは04年が始まり。以降、イオンの店舗やスクール・ニューディールなど地上、屋根上いずれも手掛け5MWの実績を持つ。公共投資事業が年々削減されるなか、昨年にはSI分野での本格参入を表明。ゼネコンという業態特徴から、同社が基礎建設を担い、系統連系等の電気工事は関電工やきんでん、九電工などの協力企業と分担する形態を整えてきた。
建設営業部の清水誠一部長は「投資額と発電量を相対的に鑑みると、2MW未満が主力領域だ」と述べるが、「発電事業者の多くが、投資回収期間を5〜7年間に想定している。仮にFIT(全量買取り式固定価格買取り制度)の価格が40円/kWhを切れば、案件の50%が採算性を失うだろう」と政策リスクを語る。
一方、市場が急速に拡大すれば、最終的にマンパワーの世界となるSIも施工の限界性が指摘されている。清水部長は「東日本大震災の復興に伴って、北海道での人件費が上昇傾向にある。建設作業者の不足懸念は否定できず、選別受注をせざるを得ない状況すら予測される」とし、買い手市場であった太陽光発電事業の変化の可能性にも言及した。