クレアホールディングス、韓国モジュール3社とOEM契約
住宅メーカーのクレアホールディングス(東京都港区、黒田高史社長)はこのほど、韓国の太陽電池モジュールメーカー3社と相次ぎ提携し、今年4月からPVシステムの本格販売を開始した。直接OEM(他社ブランドでの生産)契約を結んだのは子会社のクレア(東京都港区、松井浩文社長)。住宅・リフォーム事業で構築したグループの販売網を活用して拡販していく。
今回の提携は、11年8月、鉄鋼メーカーでモジュール生産に参入した韓国製鋼(KISCO)とのOEM契約に始まる。クレアは、韓国製鋼から単結晶型モジュールと多結晶型モジュールを調達し、現代重工業製のパワーコンディショナなどと組み合わせて、独自の住宅用PVシステムとしてJ-PECに登録。今年1月に認証を取得した。
11年12月には産業用への展開を視野に、セル・モジュールメーカーのシンソンホールディングスとモジュールの販売契約を締結。さらに今年3月、結晶系セル・モジュールメーカーのSTXソーラーともOEM契約を交わし、STX製モジュールを搭載したシステムでJ‒PEC認証を取得し、今夏にも売り出す計画だ。
矢継ぎ早に3社と契約したことについて、クレアホールディングス事業部事業統括担当の鈴木信八郎執行役員は、「例えばシンソンはPVに特化した企業。設計を含めたメガソーラーの経験も豊富で3社の中では最も価格競争力がある。一方、KISCOとSTXは発電効率が高く住宅向き。顧客ニーズが広がっているだけに、品揃えを増やす必要があった」。
同社はこれまで、住宅販売で約1万5千棟の実績を残した。PV事業に参入したのは、顧客のPVに対するニーズが増えたため。09年頃にリフォーム事業の一環でPVシステムの販売を開始し、京セラや三菱電機のシステムを扱った。ただ、「価格がネックで商談の成約率が伸びなかった。割安で高効率な製品を提供できないかと考えた」と話す。
今回の提携で、クレアグループのPV事業は、クレアがシステムメーカーとして製品保証などを行い、リフォーム会社のTGAハウジングサービス(東京都港区)が代理店向けにシステムを販売するという体制になる。大阪、名古屋に営業所を構えるほか、九州営業所の開設も検討している。代理店は現在約80社。
鈴木執行役員は、「今後は顧客への満足度を高めることが第一。産業用はどういった形で参入するか、全ての可能性を含めて検討中」と言うにとどめた。