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伊藤組モテック、モジュール出荷 今期倍増20MWへ

太陽電池モジュールメーカーの伊藤組モテック(北海道石狩市、張國恩社長)は、自社の住宅用PVシステムの販売を伸ばしており、2012年のモジュール出荷量は前年倍増の20MWを目指している。今年4月から従来の多結晶型モジュールに加え単結晶型も商品化。積雪対応モジュールなど独自色を強め、北海道を中心に拡販していく構えだ。

同社は10年3月にセル台湾最大手のモテックと、北海道の建設会社、伊藤組土建の共同出資により設立された。セルをモテックから仕入れ、石狩工場でモジュールを製造するというモジュールの製販事業に加え、パワーコンディショナなどの関連機器を調達し、独自の住宅用PVシステムの販売も開始している。

11年上半期までは、設立時に引き継いだ伊藤組木材のモジュール委託製造が事業の中心だったが、下半期からは自社ブランドによる住宅用PVシステムの販売が主力事業になった。これにより、モジュールの販売が上昇、11年のモジュール出荷量は10MWに達した。

モテックでCTOを務めた経験もある張國恩社長は、「11年は自社ブランドへの切り替えの1年だった。当社はシステム設計において、積雪対応もしている。まずは北海道でトップシェアを獲得し、日本全国へ展開する」とし、「今後は、可能ならばアプリケーション開発も進めたい」と語る。BIPV(建物一体型PV)やシステム設計などにおいて、共同開発も視野に入れている。

モジュールについては、「日本では国内製だけでなく、中国及び台湾製、半製品を中国から輸入し北海道で完成させたものの3種類をそれぞれニーズによって使い分けている」と話し、価格競争力を持つ中国及び台湾製は産業用、残る2種類は住宅用に主に供給していく。「認証に沿って生産しているので、材料も品質も全て同基準だ」と述べる。

なお、11年末現在のモテックのセル平均変換効率は、多結晶型17.4%、単結晶型18.6%。11年末時点のセル年産能力は1.5GW、出荷量は約1.1GWに達している。

今年2月に着任した張社長。モテックでは97年のPV事業立ち上げに貢献、ソーラー事業部プレジデントやCTOを歴任した。

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