鈴与グループ、新興マタイ PV売上70億円静岡支店開設
鈴与グループの新興マタイ(本社・長野県佐久市、杉山髙広社長)は、2012年1月期の売上高が前年比7%増の98億5千万円、そのうちPV(太陽光発電)事業が同13%増の70億円となった。今年2月1日付で鈴与商事(本社・静岡市清水区、入谷孝裕社長)の本部(静岡市葵区栄町)内に静岡支店を開設するなど、鈴与商事との連携を深め、13年1月期はPV事業で100億円を目指している。
12年1月期の販売件数は同約33%増の約4000件。住宅用では卸販売に特化している。市況軟化の影響を受け、件数ほど売上高は伸長しなかった。パナソニック、東芝、京セラ、シャープのほか、三菱電機、ソーラーフロンティア、Sエナジーなどを取り扱う。
静岡支店は、11年7月に立ち上げた鈴与商事太陽光システム事業部の機能を事業移管した形で、システム調達、卸販売のほか、グループ各社及び代理店への技術支援も行う。静岡支店長には桑原孝之鈴与商事太陽光システム事業部部長が就任した。
同社は今期、産業用案件の増加や鈴与グループとしての販売強化により100億円を目指している。新興マタイ環境エネルギー事業部の加藤三喜夫取締役事業部長は「他社との差別化を図り、存在感を示すことにこだわりたい」と話し、将来的なメンテナンスへの準備の一環としての施工の内製化、産業用特殊架台や設置方法などの共同開発、補助金の書類申請など煩雑な作業のフォローなどを実施していく方針だ。3月には産業用アルミ製架台、「アームシャフトシステム」を発表。従来の鉄製架台に比べ、本体重量20分の1、施工日数4分の1など、トータルコストを60%以下に削減できる特長を備えている。屋上でのメガソーラー設置の際にも使用できるという。
昨年6月30日付で鈴与グループ傘下に入った新興マタイだが、金子武弘鈴与商事取締役はこれまでのシナジー効果について、「PVでは静岡に組織を立ち上げたほか、佐久本社で研修を経験し、販売面でもプラスになっている。信用力も向上し、大規模PV発電所についての自治体や大手企業との話も進んでいる。その他の事業部でも物流面や資材販売面での相乗効果が生まれ始めている」と一定の成果を強調する。
なお佐久市の新興マタイ本社にある研究棟では現在、シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機、東芝、Sエナジー、ソーラーフロンティア、K・I・Sのモジュールが設置され、データを取得している。