NTTファシリティーズ、16種のパネルが集う太陽光発電実証サイト「Fソーラーリサーチパーク」稼働
システムインテグレータ国内大手のNTTファシリティーズ(東京都港区、沖田章喜社長)は設計・建設・運用などメガソーラー開発に関わる技術的強化と低コスト化を目指し、山梨県北杜市に太陽光発電実証サイト「Fソーラーリサーチパーク」を竣工させた。
同パークは16種類のモジュールの発電特性や経年劣化などの評価・検証を始め、架台、システム技術3つの領域から運用・評価する実証サイトである。まずは北杜市の協力のもと、北杜サイト太陽光発電所に隣接する約4万㎡の敷地に233kWの設備を構築。なかでも168kWのパネルで構成されたモジュール評価エリアは生産量や効率、発電量に加えコスト、技術といった観点から16種類のパネルを選定。メーカーは6つの国や地域に跨がった。
高木晋也実証研究グループリーダーは「刻一刻と市場環境やモジュールメーカー、さらに技術が変遷するなかで、台頭する中・台・韓・印といったモジュールを含めた総合評価をしたかった」と語る。一方、メンテナンスフリーとの風潮も流れるが、「15年経過したリユースモジュールによって長期劣化に対する知見も深めたい」ともいう。
次に25kWの容量を持つ架台検証エリアには、不同沈下対策架台や手動式傾斜角可変架台ほか、コストメリットを持つ鉄、軽量特性から軟弱地盤にも対応可能なアルミ、傾斜面を想定した銅管、3つの架台を揃えた。構造物の荷重や外力によって、場所ごとに異なる沈み方を示す軟弱地盤等に対応するのが不同沈下架台だ。架台のV字柱のスライド機構により傾斜角を修復させていく。
また手動式架台は春夏秋冬で変わる太陽高度に応じ、手動で傾斜角を変更させ年間発電量を評価する。
そして「kWhをいかに稼ぐかを評価する」のが設計技術エリア。山洋電気、サンケン電気、新電元工業のパワーコンディショナとパネル間の最適性や配置、AC/DCの変換効率、直並列数・結線方式の比較から発電量を比較検証する。
現状、パワコンの容量は10kWで統一するが、「250kWも揃え大型のデータ蓄積にも取り組む」。
同社では11年度までに累積で770カ所、30MWのインテグレーションを手掛けたが、「モジュール、パワコン、それに接続される電気、支える架台までシステムを総合的に評価することで技術進展を促す」狙いもある。今後、技術革新に合わせモジュール等を追加導入し、2MWまで拡大させる予定だ。