プリード、PV発電所向けに環境測定機器を提案
気象観測機器メーカーのプリード(技術研究所・東京都福生市、笹本和敏社長)は、PV(太陽光発電)発電所向けに環境測定器「スカイラジオメーター」の提案を強めている。FIT(全量買取り制度)の導入によって売電事業が本格化すると、発電所の発電量を予め計測する事前調査をより正確に行う必要がある。モジュールの発電能力や日射量だけでなく、同社は排気ガスや黄砂も発電に影響するとし、独自に開発した環境測定器を販売したい考えだ。
スカイラジオメーターとは、大気中のカーボンや黄砂など微粒子の濃度分布を測定できる機器。同社は日本唯一のメーカーであり、約23年前の実用化以来、これまで欧米やアジアなど世界中に数百台の販売実績を残している。
同社は、地上からでも大気層のCO2濃度が正確に測定できるCO2カラム濃度計の共同開発を京都大学と進めるなど、技術力には定評がある。スカイラジオメーターについても、約30年前に東京大学気候システム研究センターの中島映至教授と東北大学時代に共同開発したのが始まりである。
PV向けではオランダ・キップ&ゾーネン製日射計を輸入販売するほか、自社製のグレーティングサンフォトメーターもラインナップしている。同機器は直達日射光を分光測定するもので、その地点の太陽光がCIGS型に向いているかどうかなど判断することができる。約10年前から市場投入し、ドイツやスペイン、中国のPV関連企業にも販売している。
また、日射計について、笹本和敏社長は「ローコストでありつつ、性能面ではセカンドクラスと同等のものを自社開発している」と述べ、2012年中には商用化していく予定だ。