荏原ユージライト、台インベンテック製モジュール販売開始
表面処理メーカーでPV(太陽光発電)のSI(システムインテグレータ)を手掛ける荏原ユージライト(本社・東京都台東区、粕谷佳允会長)は、台湾の太陽電池モジュール製造インベンテックエナジー(以下ITE)と提携し、2011年12月から『JCUミラクルソーラー』として本格的にモジュール販売を開始した。12年2月末には愛知県で発電規模11kWのPVシステムを設置するなど、SIとして主に200kWクラスまでの中小発電所を建設。モジュール供給ではMW規模の案件も受注していく方針だ。
同社は、ITE製モジュールを、多結晶シリコン型で出力240W(変換効率14.66%)の製品を主力に、同190Wもラインナップする。モジュールの出荷基準を、出力が定格値以上でプラス3Wまでと定めている点が特徴だ。製品保証は5年間、出力保証は10年間で90%以上、25年間で80%以上と設定した。
新事業営業推進部の糀広隆新エネルギー技術営業課長は「日本の顧客から信頼を獲得するためにも、当社が保証を行う」としている。
同社は、中国、台湾、韓国、タイなど世界各地に現地法人を構えており、今回の業務提携もその取引関係から発展したもの。
ITEとは、モジュール販売だけでなく、技術供与に関する提携も交わしている。荏原ユージライトは、太陽電池カバーガラス用反射防止膜の研究開発を進めており、2012年度にはITE製モジュールに導入していく予定だ。糀課長は研究所レベルとしたうえで、「性能としては変換効率が定格比約3%上がる」と説明する。
同社は09年からSIとして事業展開、国内メーカーのモジュールを採用し、最大200kWの実績を残している。11年6月には自社新潟工場に合計100kWを設置、現在そのうち10kWはITE製である。