エスパワー、山形発国産モジュール拡販へ
山形の太陽電池モジュールメーカー、エスパワー(本社・山形県天童市、渡辺栄造社長)は、独自の封止技術を用いた多結晶シリコン型モジュールの販売を強めている。同モジュールは塩害に強いなどの高耐久性が特徴。同社は外部から周辺機器を調達し、独自のPV(太陽光発電)システムでJ-PEC認証を取得。自社製モジュールを用いた住宅用PVシステムの販売にも力を入れる。
同社は、親会社のシリコンプラス(本社・東京都中央区)とともに、多結晶シリコンインゴット・ウエハ及びモジュールを国内で生産している。シリコンプラス山形工場で多結晶シリコンインゴット・ウエハを製造、セルを委託製造し、エスパワー山形工場でモジュールに製品化する。多結晶型モジュールの製品ラインナップは、出力120W〜270Wまで4種類。降雪対応型モジュールも揃えている。4月からは単結晶型及びモノライク型もラインナップに加えていく。
親会社のシリコンプラスは06年に設立、シリコンインゴットの製造やリサイクルを事業としてきた。08年から多結晶インゴット・ウエハの生産を開始。現在、山形工場の生産能力は130MW。09年にはエスパワーが設立され、多結晶モジュールの生産をスタートした。エスパワーは11年10月にJ-PEC認証を取得、システム販売を開始している。
渡辺栄造社長は「モジュールは一度設置すると交換しにくいもの。だからこそ強く長く発電するモジュールを製造することに力点を置いている。多結晶ウエハは独自基準で選定し使用している。セル化すると変換効率17%のものが生産できる」と強みを述べる。
なお11年秋には、ノルウェー政府と、ポリシリコンメーカーでもあるエルケムから被災地への寄付が行われ、エルケムから供給されたポリシリコンをシリコンプラスがウエハに、京セラがセルモジュールにし、それを用いた京セラ製システム15kWは、石巻商業高校にエスパワーによって施工された。