〝施工〟〝メンテ〟の基準統一化へ 公益2団体が掲げる品質理念
エコシフト、テュフと施工認証実施 保全基準の策定に動くPVCA
保全基準の統一化へ
太陽光発電保全協会は、太陽電池モジュールやPVに関連する周辺機器を含めた保守・保全に取り組んでいる。国府田文雄理事長は「今後はメンテナンスが重要。JPEAさんは“設置前”の協会だが、我々は“設置後”の協会だ」と目的の違いを強調する。
PVCAはまず保全に関する統一基準の策定を進めている。メーカーごとに基準の異なる現在の保全方法を統一化することによって品質向上を図る。その第一歩として、12年度よりメンテナンス講習や高所安全講習といった研修事業を開始する。今年2月にはワーキンググループを立ち上げ、保全に関するIDも発行する。住宅用からMWクラスの産業用まで網羅していく構えだ。
会員企業は施工会社やメンテナンス関連会社、PV関連設備企業が中心で、現在、太陽光サポートセンターやウエストホールディングス、スバル興業など約20社。協会アドバイザーとしてシャボン玉石けんやケルヒャージャパンも加盟している。
保全に関する協会設立のきっかけは約10年前に遡る。「PVパネルはメンテナンスフリーと謳われているが、本当にそうなのか。疑問に思い独自にパネルを購入した」(国府田理事長)。10年12月にはケルヒャージャパンやシャボン玉石けんと協力し、洗浄用ノズルやPV専用洗剤を開発、国府田理事長が代表を務める東洋メカジェニック工業で『PVクリーンサービス』としてパネル洗浄用機材の提供を始めていた。
これから建設が本格化していくとみられるメガソーラー発電所についても、「すでに洗浄など保守の経験を有しておりメンテは可能だ」という。
また、協会はメンテナンスに必要な計測機器などを保有し、会員企業へ貸し出している。国府田理事長は、「メンテ用の計測機器は、導入したくても高額で購入できないものもある。それらを協会が保有し、必要な時だけレンタルすれば、保守レベルの底上げにも繋がるはずだ」と語る。
その他、協会では、保守・保全に関する相談やコンサルティング、窓口業務、講習会なども行っている。「今後3年以内に300社程度まで会員企業を増やしたい」としている。