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丸紅、九電とPPA会社設立

鹿児島・奄美で太陽光10MW導入へ

総合商社の丸紅は2024年度内に九州電力の子会社で再生可能エネルギー事業を手掛ける九電みらいエナジー(福岡市、水町豊社長)とPPA(電力売買契約)会社を設立する。25年4月から鹿児島県の奄美大島でオンサイトPPA事業を展開していく。

同社らは奄美大島でPPAの事業会社、『奄美やねでんソーラー』を設立する。資本金は非公開だが、丸紅が過半数を出資する予定だ。奄美やねでんソーラーでは、奄美大島の住宅や公共施設の屋根上に太陽光発電設備を設置し、蓄電池の併設や蓄電設備の充放電制御まで手掛けていく。30年度までに出力換算で10MW規模の太陽光発電設備を導入し、島内の電力需要の約10%を再生可能エネルギーで賄う方針だ。

丸紅は22年4月から1年間、奄美大島における蓄電池併設のオンサイトPPA事業の実証試験を実施してきた。23年10月より事業化し、25年2月までに島内で出力400kW規模の太陽光発電設備と蓄電容量120kWhの蓄電設備の導入を見込んでいる。

丸紅電力新事業部の小西隆介課長補佐は、「島内におけるPPA事業の拡大に向け、当社の再エネ設備の運用ノウハウと九電みらいエナジーの系統運用の知見を活かそうということで新会社を設立した」と経緯を語る。

九電みらいエナジーエンジニアリング本部太陽光事業部の江口 大輔課長は、「蓄電設備を導入することで変動する再エネ電源を有効活用できるほか、BCP(事業継続計画)対策にもなる。離島の脱炭素化を進めつつ、防災強化を図る」とし、「九州電力鹿児島支店や地元企業と連携してPPA事業を進めていく。今後は九電管内の他の離島にも展開していきたい」と展望について話す。

丸紅は九電みらいエナジーとPPA会社を設立する。写真は奄美大島に設置された太陽光発電設備

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