藤光、非FIT太陽光開発を加速
25年7月期20MW販売へ
同社は土木工事の知見を活かしたEPCを展開。写真は載荷試験の様子
太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)を手掛ける藤光(愛知県豊川市、近藤裕紀社長)は、主に中部電力管内で〝非FIT〟太陽光発電所の開発に本腰を入れている。2025年7月期は前期比2倍となる20MWの販売を目指す構えだ。
建設業を営む同社は12年のFIT開始を機に再生可能エネルギー関連事業に進出。太陽光発電所の施工実績は約300MWに及ぶ。
近藤社長は、「当社はFIT時代からEPC事業を展開し、低圧案件から特別高圧案件まで多くの施工を請け負ってきたが、FIT需要が収束するなかで、自ら能動的に動きやすい開発まで手掛けることに決めた」と振り返り、21年12月に電源開発課を創設し、非FIT太陽光発電所の開発に乗り出した。
同社は、中部電力管内を中心に東京電力管内や関西電力管内でも低圧・高圧太陽光発電所を開発。一部はSPC(特別目的会社)を通じて保有しているが、多くは再エネ発電事業者などの協業先に売却する。現在は低圧案件と高圧案件でそれぞれ4社と提携しており、24年7月期には10MW販売した。同社はさらなる拡大を目指し、25年7月期は20MW以上販売する見通しだ。
同社は土木工事の知見を持つほか、開発時にはドローン(無人航空機)による3D測量も実施。同社環境事業部の向井芳規部長は、「土木工事を含めて確度の高い概算工事費を提示できる点も強みだ」と話す。
同社は21年4月にグループの農業法人を設立し、営農用太陽光発電所の開発にも着手済みだ。開発案件を対象としたO&M(管理・保守)事業も伸ばしていく構えである。近藤社長は、「30年の脱炭素目標を掲げる企業も多く、開発量を増やしたい」と語る。
なお同社の24年7月期決算の売上高は約31億円で、うち太陽光発電所の開発・販売や屋根上設置を含む工事請負などからなる再エネ関連事業は約26億円を占めた模様だ。
地上設置だけでなく、屋根上設置の実績も持つ