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パナソニックHD、あいおいニッセイと蓄電設備の保険開発の協定締結

劣化予測の実証開始へ

同社技術部門GX本部エネルギー事業開発室DERMS事業戦略課の北野谷征吾主務

パナソニックホールディングスはこのほど、損害保険大手のあいおいニッセイ同和損害保険と再生可能エネルギー用などの定置型蓄電設備向けの保険商品の開発で協定を結んだ。蓄電設備の劣化予測技術を用いて保険商品を共同で開発していく。

これまでも蓄電池を研究開発してきた同社は、蓄電池セルや蓄電池パック、蓄電設備の温度や電流、電圧などの情報をもとにAI(人工知能)の機械学習機能や数理モデルを活用して、蓄電設備の劣化を予測する技術を開発していく。あいおいニッセイはパナソニックHDの劣化予測技術をもとに、定置型蓄電設備の保険商品を開発する計画だ。

もっとも、あいおいニッセイはこれまでも故障時のデータからリスクを考慮して蓄電設備メーカーの保証を支援する保険を提供してきたが、故障データがない場合は保険の商品化が難しい。そこでパナソニックHDとの提携に至ったようだ。

パナソニックHD技術部門GX本部エネルギー事業開発室DERMS事業戦略課の北野谷征吾主務は、「蓄電設備は用途が異なれば、劣化具合も異なる。劣化予測技術を活かし、適切な保険商品の開発に寄与したい」と述べる。

同社は、劣化予測の精度を上げるため、系統用蓄電事業者や蓄電設備メーカーなどから実証試験の協力者を募集する。協力者には実証試験を通じて蓄電設備の劣化予測の結果を無償で提供しつつ、蓄電設備の劣化を抑制する運用方法などを提案していくつもりだ。

協力者の募集期間は2025年2月7日から27年2月末日を予定し、実証期間は25年4月から28年4月までである。

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