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アイテス、遠隔異常診断装置を開発

新開発の遠隔異常診断装置

点検機器メーカーのアイテス(滋賀県野洲市、五十嵐靖行社長)は2021年4月19日、太陽光発電設備に生じた不具合を遠隔から検出する装置を開発したと発表した。独自の異常検出アルゴリズムを構築した。O&M(管理・保守)の省力化に寄与する考えである。

夜間に自動で太陽光パネルのバイパス回路へ直流信号を印加して順方向降下電圧を測定したり、セル回路に交流信号を印加して抵抗値を計測したりする異常診断装置を考案した。取得したデータをインターネット上に蓄積したうえで、独自に開発した診断アルゴリズムで異常の有無や種類を判断する。バイパス回路の開放や短絡、セル同士を結ぶ回路やケーブルの断線など、様々な異常を発見できるようにした。

同社製品開発部営業課の谷畑潤専任課長は、「点検機器の開発や販売で培った技術を活かした。異常を検出した際は自動で管理者に発報する仕組みを整えた」という。

同社は20年夏から東北電力と実用化に向けた実証実験を行ってきた。製品化の際には、接続箱内に取りつけ、太陽光パネルの設置場所や規模に関係なく使用できるようにする構えだ。

同社製品開発部の藤田敦取締役統括部長は、「どのような構成の太陽光発電設備であっても測定結果にばらつきが生じないよう研究を進めていく」と方針を語る。谷畑専任課長は、「年内にはデータ取りを終え、評価をまとめたい」と話す。

経済産業省はIoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)技術の導入により、電気設備を効率的に点検する〝スマート保安〟の普及を促す。藤田統括部長は、「当社もスマート保安化に貢献していく」と抱負を述べた。

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