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VPPジャパン、PPAの余剰電力買取り開始

伊藤忠グループのVPPジャパン(東京都千代田区、秋田智一社長)は親会社とPPA(電力売買契約)モデルで設置した太陽光発電の余剰電力を買取るサービスを2021年6月に開始する。電力使用量の少ない倉庫や物流施設、商業施設などに訴求していく。

VPPジャパンは、すでに伊藤忠商事のグループ会社で食品卸の日本アクセスと事業を進めている。日本アクセスが保有する全国330ヵ所の施設のうち、太陽光発電設備を設置できる施設とPPA契約を締結、順次設備を導入していく方針だ。PPAモデルで太陽光発電設備を設置するため、20年に及ぶ契約を結び、客先の自家消費量に課金して設備費用を回収する。

日本アクセス春日井センター

余剰電力は親会社のアイ・グリッド・ソリューションズが買取り、環境価値付き電力として一般家庭や高圧受電家に供給する。

VPPジャパンの加田木太朗取締役COOは、「余剰電力の行き場をつくることで、オンサイトPPAでありながら、他の電力消費者にオフサイトで再生可能エネルギー電力を供給できる仕組みだ」と語る。

同社はPPAモデルで約170ヵ所の太陽光発電設備を稼働させており、設備を設置した小売店でEV(電気自動車)を活用した実証実験を6月より開始した。伊藤忠商事やアイ・グリッド・ソリューションズのほか、小売店を展開するヤオコーとも連携し、埼玉県内の2ヵ所の小売店で、将来的には蓄電設備やEVなどを用いて、電力融通や需給調整、最適充放電制御などを検証する。実証試験第1段階は、今夏までの予定である。

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