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二川工業製作所、仕入先に再エネ100%供給

建設機械や船舶用部品を製造する二川工業製作所(兵庫県加古川市、二川昌也社長)は2021年6月7日、自社の太陽光発電所の電力を仕入先に供給し、事業用電力の100%再生可能エネルギー化を支援した。取引先の再エネ化で製品の付加価値を高める狙いだ。

同社は、新電力会社のアスエネを通してFIT認定の出力約2MWの水上太陽光発電所で発電した再エネ電力に環境価値を付与し、電力を供給する。アスエネのブロックチェーンを活用したトラッキングシステムで電力の由来を〝見える化〟し、自社の太陽光発電所を活用した電力供給を実現した。

同社の商品仕入先である竹中鋼管の年間使用電力量は約11万kWh。太陽光発電所が発電しない時間帯などは環境価値を付与した再エネ電力をアスエネが供給することで、使用電力100%再エネ化を達成した。

アスエネはFIT電力の卸供給を受けられるよう関西電力送配電部門と再エネ電力の特定卸供給契約を結び、二川工業製作所は関西電力に売電を続ける。

二川工業製作所企画部兼再生可能エネルギー発電事業部の藤井涼輔氏は「自社の太陽光電力を取引先に活用すれば、当社の製品は100%再エネ電力で製造し、環境に配慮した製品だとPRできる。企業価値を高め、選ばれる企業になるために手を打った」と語る。

同社は、中小企業版のRE100(事業用電力の100%再エネ化)とされる『再エネ100宣言REアクション』に20年1月に参加。同モデルを活用して兵庫県内2ヵ所に保有しているFIT認定の水上太陽光発電所の電力を自社の使用電力に充てた。不足分は環境価値を付与した再エネ電力をアスエネから購入することで年間使用電力量約600万kWhの再エネ化を同年12月に達成した。

藤井氏は、「製造業は電力代が製造コストに反映されるため、電力の切り替えはシビアな問題だったが、非化石証書を付与しても電力代が以前と同等だったため、契約先を変えた。仕入先の再エネ化は今後も進めていく」と意気込む。

同社は全国39ヵ所、約44MWの太陽光発電所を保有しており、うち17MWをアスエネに、11MWをみんな電力に卸している。今後も太陽光発電のみならず、バイオマス発電や風力発電の開発を行う方針だ。

兵庫県に所有する桜上池水上太陽光発電所の電力を供給する

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