双日とエネオス 豪州で204MWの太陽光建設へ
総合商社の双日(藤本昌義社長)と石油元売り大手のエネオス(大田勝幸社長)は2021年6月10日、豪州に出力204MWの太陽光発電所を建設すると発表した。両社が折半出資する持ち株会社を通じて、メガソーラーの権利を保有する事業会社を買収した。22年度後半に稼働させる方針だ。
両社は、豪クイーンズランド州ブリスベンから300㎞西に位置する同州ウェスタンダウンズ地区の土地4.3㎢を活用する。西・PVハードウェア製の1軸追尾システムと蘭・アルセロール・ミッタルの架台を組み合わせて敷設し、中・チントソーラー製の両面受光太陽光パネルと独・SMA製パワーコンディショナを設置する。
西・建設大手、グルーポグランソーラーの豪州子会社に、EPC(設計・調達・建設)を発注し、2021年9月から現地で建設を始める。
双日インフラ・ヘルスケア本部環境インフラ事業部再生可能エネルギー事業開発課の田口浩之課長は、「運用では、追尾システムをうまく動かす必要がある。追尾システムには、強風発生時に自動的に追尾を止めて強風に備える機能があるが、調整を間違えると、弱い風が吹くたびにとまり、期待した発電量を稼げない」と語る。
両社は発電した太陽光電力のうち、70%を現地の電力小売会社に販売し、残る30%のうちの一部を、双日が同州内で保有するグレゴリー・クライナム炭鉱に供給する。その際、一旦卸電力市場に電力を流してスポット価格で売電し、電力小売り会社やグレゴリーもスポット価格で市場から電力を購入する。その後、両社は事前に合意した額との差額を決済するという。
なお買収金額や建設費用、売電単価は非公表である。