東京海上、設備廃棄の新保険提供へ
東京海上日動火災保険(広瀬伸一社長)は2021年9月2日、太陽光発電事業者向けの新しい保険を発売すると発表した。廃棄費用や賠償リスクに特化した商品で、出力10kW以上2000kW未満の太陽光発電設備を持つFIT認定事業者に提供する。申込受付を始め、12月より適用する。
今回の保険は、自然災害などで太陽光パネルが損傷し、事業の縮小や廃止に伴う設備の撤去費用を補償するもので、修理には使えない。事業者が設備を廃棄する場合、設備出力1kWあたり1万円、最大1000万円まで支給される。原因が地震である場合のみ、1kWあたり0.2万円、最大200万円になる。
太陽光パネルが飛来するなど対人・対物事故が生じた場合の賠償責任には1事故あたり1億円、初期対応や事業継続には1000万円まで支給される。
同社は、制御システムや遠隔監視システムなどの不正アクセスに起因して情報漏えいや第三者の事業阻害が生じた場合の損害賠償金などに対応した保険も特約として提供する。
出力50kWの低圧太陽光発電所の場合、年間保険料は1.7万円程となる模様だ。
保険の契約は、JPEA(太陽光発電協会)が契約者、発電事業者が被保険者となるが、JPEA会員でなくても保険を活用できる。事業者が直接、ウェブサイト上で申込みし、保険料などを支払う仕組みだ。保険は1年契約で自動更新となり、FIT認定期間中であれば加入できる。
一般の火災保険も修理費や廃棄費を補償しているが、保険料が低圧太陽光発電所で年8万円程と割高で、加入していない事業者が多い。そこで同社は、価格を5分の1程に抑えた火災保険に加入していない事業者向けの新商品を開発した。