クイック、卸電力価格の予測サービス開始
日本経済新聞社グループで金融情報サービスを提供するクイック(東京都中央区、髙見信三社長)は2021年8月、卸電力価格などの予測サービスを始めた。短期と中長期の2種を用意。主に電力小売り会社の活用を見込む。
同社は20年6月よりJEPX(日本卸電力取引所)スポット価格や先物市場の価格分析、火力発電や水力発電の稼働状況や停止計画、供給予備率などを確認できるサービス、『クイックイーパワーポラリス』を提供しているが、その付随サービスとして価格予測を始めた。
新サービスでは沖縄を除く全国9電力管内の向こう4日間に亘るJEPXスポット価格を予測し、東京電力と関西電力管内の最長3年先のベースロード価格見通しも算出する。スポット価格予測では各地域の代表地点の予測気温や過去10年間の平均気温、LNG(液化天然ガス)スポット価格、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格、発電所稼働率などを、中長期の価格見通しではWTI原油先物価格と天然ガス現物先物価格などのデータを利用する。
同社は、月額利用料税別4.2万円のクイックイーパワーポラリスに、プラス5万円で価格予測サービスを受けられるようにした。初年50社の利用を目指す。
なお、富山大学経済学部の唐渡広志教授と、慶応義塾大学の森平爽一郎名誉教授が価格予測における設計と監修を務めた。