あいおいニッセイ、再エネ地域循環でRDoと協業
PPA推進
MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険(金杉恭三社長)は2021年9月28日、日本再生可能エネルギー地域資源開発機構(=RDo、奈良市、境内行仁代表理事)と自家消費用太陽光発電設備による地域循環モデルを提案すると発表した。PPA方式における資金調達の課題をリース会社や保証機関と解決していく。自治体に提案していく方針だ。
両社がこのほど構築した地域循環型の再エネ事業モデルは、地元資本の地域再エネ会社が地元企業に対し、PPAモデルで太陽光発電設備を設置し、再エネ電力を供給していくというもので、設備の施工や保守は地域の施工会社が担う。最大の特徴は保証機関を含めた仕組みを講じた点だろう。
RDoの境内行仁代表理事は、「大手企業に比べ、中小企業の方が電気料金単価が高いことが多く、PPAモデルの利点も大きい。だが、与信や資金調達で障害があった。そこで、保証機関や入出金管理を代行する資産管理会社と連携することで、地域主導でも資金を調達できる仕組みをつくり上げた」と語る。
50年までのカーボンニュートラル(人為的な温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向け、自治体における脱炭素化の重要度は高い。そこで〝非FIT〟かつ地域循環型の仕組みをパッケージとして提供し、自治体主導での脱炭素化の取り組みに活かせる今回の事業モデルを構築したわけだ。
あいおいニッセイ同和損保は、関連する保険の提供にとどまらず、包括連携協定を締結する自治体などに同モデルを提案するほか、代理店や取引先に同モデルの導入支援も行う。同社関西企業営業第一部営業開発課の竹口雅文担当部長兼課長は、「全国展開も視野に入れつつ、まずは関西圏の自治体と連携し、モデルを構築したい」と意気込む。
今後については、営農用太陽光発電やオフサイトPPAモデルなどを活用できる仕組みも検討していく方針である。